若きシフラの亡命前の凄絶名演を集成!『ザ・マスターズ・コレクション~ジョルジュ・シフラ』(3枚組)
人間業とは思えぬテクニック!元祖超絶系シフラの凄すぎる至芸集大成
昨今、アムランやヴォロドス、ユジャ・ワンなど驚異的なテクニックを誇るピアニストが人気ですが、元祖超絶系の王といえばジョルジュ・シフラ。その誰をも凌ぐ指回りに加え、19世紀風なアクの強さでこれでもかと責める体育会的芸風は、真似の出来ない個性と申せましょう。
シフラは国大脱出に失敗したかどで1950年から53年まで収監され、56年のハンガリー動乱の際に出国、その後の活躍で世界的なスターとなりました。ここに収められたものは、彼が出獄してから出国するまでの2年間に祖国ハンガリーで録音したもので、ディスク3枚全てが難曲というシフラならではのアルバムとなっています。
リストのピアノ協奏曲第1番とガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」も独特の大時代的な濃さが魅力ですが、シフラ自身によるシュトラウスやヴェルディのとてつもなく難しい編曲で、まさに本人にしかできないすさまじさを発揮しています。ただただ唖然とするしかない凄さ、ピアノ好きなら血沸き肉踊ること間違いなしです。
リストの「超絶技巧練習曲」も曲芸ばりの妙技で、当時の頭の固い評論家から攻撃されましたが、今日ならば聴衆を熱狂させたはず。50年早く生まれすぎたシフラの先見的芸術をお楽しみください。
(キングインターナショナル)
『ザ・マスターズ・コレクション~ジョルジュ・シフラ』
【曲目】
[Disc 1]
1.リスト:ピアノ協奏曲第1番 変ホ長調
2.リスト:ハンガリー狂詩曲第2番 嬰ハ短調
3.リスト:ハンガリー狂詩曲第6番 変ニ長調
4.リスト:ハンガリー狂詩曲第12番 嬰ハ短調
5.ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー
6.リスト:オーベールの「ポルティチの唖娘」による幻想曲
7.ブラームス(シフラ編):ハンガリー舞曲第5番嬰 ヘ短調
[Disc 2]
8.ヨハン・シュトラウス(シフラ編):美しき青きドナウ
9.ヨハン・シュトラウス(シフラ編):トリッチ・トラッチ・ポルカ
10.ヨハン・シュトラウス(シフラ編):こうもり
11.ヨハン・シュトラウス(シフラ編):ジプシー男爵
12.ワーグナー(リスト編):「タンホイザー」序曲
13.リスト:リゴレット・パラフレーズ
14.ヴェルディ(シフラ編):イル・トロヴァトーレ
15.リスト:ハンガリー狂詩曲第15番 イ短調「ラコッツィ行進曲」
16.リスト:ハンガリー狂詩曲第19番 ニ短調
[Disc 3]
17.リスト:超絶技巧練習曲(第1曲~11曲)
18.メンデルスゾーン(リスト編):「真夏の夜の夢」~結婚行進曲と妖精の踊り
【演奏】
ジョルジュ・シフラ(ピアノ)
ジェルジー・レヘル(指揮)[1]
ブダペスト交響楽団[1]
ゾルターン・ロジュナイ(指揮)[5]
ハンガリー国立管弦楽団[5]
【録音】
1954-56年、ブダペスト[モノラル]
カテゴリ : ニューリリース | タグ : ボックスセット(クラシック)
掲載: 2019年01月11日 00:00