注目アイテム詳細

来日ライヴも収録!幻中の幻の名ピアニスト、シドニー・フォスター録音集成(7枚組)

シドニー・フォスター~アメリカの名手再発見

幻中の幻の名ピアニスト、シドニー・フォスター録音集成!
何と来日時の日本フィル共演のシューマン:協奏曲や
コープランド指揮のバルトーク:協奏曲も収録!

マーストン・レコードよりたいへん興味深い歴史的録音の新譜が発売予告されました。アメリカの知られざるピアニスト、シドニー・フォスター(1917~1977)の7枚組アンソロジーです。マーストン・レコードの案内文には下記のようにあります。

*****

シドニー・フォスターは、彼の時代の間違いなく最も偉大なピアニストの一人でしたが、彼は今日ほとんど知られておらず、商業録音もほとんどしていませんでした。 1993年、メリーランド大学のレーベル「International Piano Archives」は、ライヴ録音から2セットを発表しました。今年、マーストンは、これまでに発売されたことのない、ライヴ録音から7枚組のソロとコンサートの公演を発売することにより、フォスターの生誕100周年を祝います。フォスターのピアノの息をのむような美しさ、彼が解き放つ火山のようなエネルギー、そして彼の美しい音はすぐに明らかになります。それは20世紀のピアニストのトップランクにある彼の最高の音楽作りの贈り物です。有名な批評家、ハロルド C. ショーンバーグによる1963年10月のカーネギーホール・リサイタルのニューヨークタイムズ紙の批評からの一行は、フォスターの芸術性についての貴重な洞察を提供しています。

「彼は玄人を“興味深い個性的なピアニスト”“音色の巨匠”“芸術家”と唸らせる特別な存在です」

1938年にフォスターはマクダウェル・コンクールで優勝し、1940年には最初のレーヴェントリット賞を受賞しました。レーヴェントリット賞の受賞により、1941年にニューヨーク・フィルハーモニックにデビューし、ジョン・バルビローリの指揮でベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番を演奏。第1楽章のカデンツァは彼の自作を演奏しています。この音源はエアチェック録音で、このセットに収められたことを嬉しく思います。1952年から亡くなるまで、インディアナ大学の教授を務めました。この7枚組CDセットには、1952年から1973年までの間に、慎重に選ばれた公演が収録されています。

*****

このセットには上記したバルビローリとのベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番、アブラヴァネルとのチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番が入っており、それぞれの指揮者のファンの方にとってもかけがえのない一組となっています。

また、日本のファンにとっても、フォスターが来日した際、1962年5月3日にステレオ・ライヴ録音したシューマンのピアノ協奏曲が入っていることが注目されます。共演は奥田道昭指揮の日本フィルハーモニー交響楽団。奥田道昭(1927~2009)は近衛秀麿、齋藤秀雄、渡邉暁雄に師事し、1954年東京交響楽団定期演奏会で指揮者デビュー。1959~1964年には日本フィルハーモニー交響楽団副指揮者を務めました。当時のソノシートなどにも数多く録音したので、その名をなつかしく思う方も多いことでしょう。若い方には音楽評論家の奥田佳道氏の父にあたる方、とご紹介したほうが良いかも知れません。録音も当時のライヴ録音としては非常に良く、ピアノ、オケともども情感豊かな名演奏を示しています。奥田道昭の録音はCDではほとんど出ていなかったので、彼の指揮を聴く意味でも貴重な復刻と言えそうです。
(タワーレコード 商品本部 板倉重雄)

mastonが世界中のピアノ・マニアを狂喜させる7CDセットを発売。商業録音がほとんどない幻中の幻の名ピアニスト、シドニー・フォスター(1917―1977)の1941年から1975年までの主としてライヴ録音を集めている。
シドニー・フォスターは1917年、米国、サウスカロライナ州のフローレンスの生まれ。10歳で、伝説的ピアニスト、ヨーゼフ・ホフマンが院長を務めるカーティス音楽院に入学。卒業後は1970年代半ばまで精力的に活動し名声を築き上げた。日本にも1962年に訪問して絶賛された。高い実力を誇りながら、フォスターは商業録音に関心を示さず、残されたのはモーツァルトのピアノ協奏曲とクレメンティのソナタが少々。そのため今日ではマニアしか知らないピアニストになってしまった。
そんなフォスターのライヴ録音をmarstonがCD7枚にまとめ上げた。大半は彼が住んでいたインディアナ州ブルーミントンでの録音。録音状態はマチマチながら、これまでほぼ完全に謎に包まれていたピアニストの芸術がこれだけ一気に明らかにされることに興奮を覚える。また作曲家アーロン・コープランドがボストン交響楽団を指揮したバルトークのピアノ協奏曲第3番という、伴奏の点でも目を引く録音もある。1962年来日時のシューマンのピアノ協奏曲も収録されている。これを含め一部はステレオ録音、ただしものによってはほとんど左右に広がらないかろうじてステレオのものも含まれるのでご注意を。


「シドニー・フォスター~アメリカの名手再発見」

シドニー・フォスター(ピアノ)
録音:1941~1975年 ADD 559分

(CD1)
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 Op23-1
モーリス・アブラヴァネル(指揮)ユタ交響楽団
録音:1966年1月15日 ユタ州 レイクシティ (ステレオ ただし録音テープの傷みのため第1楽章の14分過ぎから18分前辺りまでモノラル)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 Op.37
ジョン・バルビローリ(指揮)ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団
1941年3月23日 ニューヨーク州ニューヨークシティ(ラジオのアナウンス付き)
バッハ(リスト編):幻想曲とフーガ ト短調 BWV542
1955年3月29日 インディアナ州ボルチモア
メンデルスゾーン:無言歌 Op.62-1 「五月のそよ風」
1965年10月10日 インディアナ州ブルーミントン

(CD2)
メンデルスゾーン:幻想曲 嬰へ短調 Op.28
シューマン:謝肉祭 Op.9
ショパン:ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 Op.35
リスト:慰め S.172 第3番,ヴェネツィアとナポリ S.162―タランテラ
スクリャービン:左手のための前奏曲 Op.9-1
ウェーバー:ピアノ・ソナタ第1番 ハ長調 Op.24―第4楽章 常動曲
シューマン:ロマンツェ 嬰ヘ長調 Op.28-2
1954年5月3日 インディアナ州ブルーミントン
(CD3)
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第5番 ト長調 K.283
1973年11月26日 インディアナ州ブルーミントン
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番 ハ長調 Op.53 「ワルトシュタイン」
1971年11月13日 インディアナ州ブルーミントン
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調 Op.110
1966年10月30日 インディアナ州ブルーミントン
リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調 S.178
1968年2月8日 インディアナ州ブルーミントン(ステレオ)
(CD4)
シューマン:蝶々 Op.2
1968年6月30日 インディアナ州ブルーミントン(かすかなステレオ)
シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54
奥田道昭(指揮)日本フィルハーモニー交響楽団
1962年5月3日 東京(ステレオ)
ブラームス:ピアノ・ソナタ第3番 ヘ短調 Op.5
1970年2月19日 インディアナ州ブルーミントン(ステレオ)
グリーグ:夜想曲 ハ長調 Op.54-4
1973年11月26日 インディアナ州ブルーミントン(かすかなステレオ)
(CD5)
フランク:前奏曲、コラールとフーガ
ショパン:幻想曲 ヘ短調 Op.49,練習曲 嬰ハ短調 Op.10-4,練習曲 変ト長調 Op.10-5 「黒鍵」,練習曲 変ホ短調 Op.10-6,練習曲 ヘ長調 Op.10-8
1952年4月27日 インディアナ州ブルーミントン
ショパン:ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 Op.58
1970年2月19日 インディアナ州ブルーミントン(ステレオ)
ショパン:バラード ヘ短調 Op.52
1969年7月1日 インディアナ州ブルーミントン(ステレオ)
ショパン(フォスター編):ワルツ 変ニ長調 Op.64-1 「小犬のワルツ」
1975年1月19日 インディアナ州ブルーミントン(不明瞭なステレオ)
モシュコフスキー:ギター Op.45-2
1968年6月30日 インディアナ州ブルーミントン(ステレオ)
(CD6)
ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 Op.36
1974年11月3日 ペンシルベニア州フィラデルフィア(ステレオ)
スクリャービン:練習曲 変ニ長調 Op.42-1,練習曲 嬰ヘ短調 Op.42-2,練習曲 嬰ヘ長調 Op.42-4,練習曲 嬰ハ短調 Op.42-5
1974年2月2日 ニュージャージー州グラスボロ(ステレオ)
スクリャービン:ピアノ・ソナタ第9番 Op.68 「黒ミサ」
1968年2月8日 インディアナ州ブルーミントン
バルトーク:「子供のために」第4巻―葬送歌
1964年7月8日 インディアナ州ブルーミントン
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第9番 ハ長調 Op.103,束の間の幻影 Op.22~第1,3,10,11,14,15,8,18曲,ガヴォット Op.32-3
1961年10月2日 インディアナ州ブルーミントン
パデレフスキ:幻想的クラコヴィアク Op.14-6
1968年2月8日 インディアナ州ブルーミントン
フンメル:ロンド 変ホ長調 Op.11
1952年4月27日 インディアナ州ブルーミントン
(CD7)
バッハ(リスト編):前奏曲とフーガ イ短調 BWV.543
1957年5月19日 インディアナ州ブルーミントン
モーツァルト:デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲 ニ長調 K.573
1952年4月27日 インディアナ州ブルーミントン
ブラームス:4つのバラード Op.10
1955年3月29日 インディアナ州ブルーミントン
ドビュッシー:前奏曲集第2巻~月の光がふりそそぐテラス,前奏曲集第1巻~野を渡る風
デロ・ジョイオ:ピアノ・ソナタ第3番 ト長調
1952年4月27日 インディアナ州ブルーミントン
バルトーク:ピアノ協奏曲第3番
アーロン・コープランド(指揮)ボストン交響楽団
1965年4月9-10日 マサチューセッツ州ボストン(ステレオ)

カテゴリ : ニューリリース | タグ : ボックスセット(クラシック)

掲載: 2019年01月24日 00:00