Toccata Classics レーベル~2019年3月発売新譜情報(12タイトル)
「知られざる作曲家による知られざる作品」をモットーに発足したイギリスのレーベル「Toccata Classics(トッカータ・クラシックス)」。今回も珍しい作品が目白押しです!
“エストレリータ”で知られるメキシコの作曲家マヌエル・マリア・ポンセ(1882-1948)の「管弦楽作品集第1集」、スコットランドの作曲家ロナルド・スティーヴンソン(1928-2015)の「ピアノ作品集第3集」、ウィーンで生まれスイスで活躍した音楽家ジャック=ダルクローズ(1865-1950)の「ピアノ作品集」、オーストリアの作曲家エルンスト・クシェネク(1900-1991)の「室内楽作品と歌曲集第1集」など、世界初録音を含むCD12タイトルがリリースされます。
一部世界初録音!
マヌエル・マリア・ポンセ(1882-1948):管弦楽作品集 第1集
ホセ・ミラモンテス・サパタ(指揮)、サン・ルイス・ポトシ交響楽団
さまざまな楽器に編曲され、誰もが一度は聴いたことのある歌曲「小さな星(エストレリータ)」の作曲家ポンセ。ギターのための作品も比較的知られていますが、このアルバムでは彼のオーケストラ作品を聴くことができます。
まるでレスピーギを思わせる「春」など、オーケストラの豊かな質感を存分に生かした作品は、甘い旋律を持つ『小さな星』とは全く様相の違う味わいを持ち、彼の作曲家としての才能をみせつけるものです。
また1947年に作曲された「メキシコの点描」はメキシコの先住民文化を取り入れた躍動的な作品。効果的に使われる打楽器が良いアクセントになっています。メキシコを代表するサン・ルイス・ポトシ交響楽団の演奏です。
(ナクソス・ジャパン)
一部世界初録音!
ロナルド・スティーヴンソン(1928-2015):ピアノ作品集 第3集
クリストファー・ギルド(ピアノ…スタインウェイD)
スコットランド出身のロナルド・スティーヴンソンのピアノ曲第3集。もともと優れたコンサート・ピアニストとして名を上げ、ベートーヴェンやラフマニノフの巧みな解釈で知られていましたが、「DSCHによるパッサカリア」などの難解で演奏困難な数々のピアノ作品は超絶技巧を愛する人々の間で話題となり、近年作曲家としての知名度も高くなっています。彼は友人グレインジャーの影響を受け、世界の民謡にも強い関心をいだき、各国の伝統音楽のテイストを生かした作品を書き上げました。
この第3集にはアフリカから中国、ガーナなどの音楽を元にした特色豊かな作品を収録。グレインジャーの「ヒル・ソング」の編曲も含まれた興味深い1枚となっています。
(ナクソス・ジャパン)
世界初録音!
エミール・ジャック=ダルクローズ(1865-1950):ピアノ作品集 第1集
アダルベルト・マリア・リーヴァ(ピアノ)
ウィーンで生まれスイスで活躍した音楽家ジャック=ダルクローズ。幼児を中心とした音楽学習の方法論の一つ「リトミック=動きを通じて音楽の諸概念を教える」を発展させた功績で知られます。
作曲家としてはブルックナーやローベルト・フックスの教えを受け、オペラやカンタータ、管弦楽作品を数多く発表しましたが、一連のピアノ曲はパリのサロン風の上品で抒情的な雰囲気を持ち、一部の曲からはシューマンの影響も感じられます。
(ナクソス・ジャパン)
一部世界初録音!
フェレンツ・ファルカシュ(1905-2000):室内楽作品集 第3集 フルートを伴う作品集
アンドラーシュ・アドリアン(フルート)
TOCCATAレーベルにおけるファルカシュの作品集はこのアルバムが10枚目。今回はフルートを伴う室内楽曲ということで、ハンガリーを中心とした名演奏家たちが集結(ミクローシュ・ペレーニやバラーシュ・ソコライの名前も含まれる)、ファルカシュの色彩豊かな作品を盛り上げました。迫力あるリズムや、躍動的で耳当たりの良いメロディなど、ファルカシュの感性の赴くままに生まれた音楽が息づいています。
なかでも舞曲系の作品「6つのハンガリー民謡集」や「3つのダンス・パラフレーズ」など、素朴なアンサンブルが聴きどころです。
(ナクソス・ジャパン)
一部世界初録音!
クシェネク(1900-1991):室内楽作品と歌曲集 第1集
エルンスト・クシェネク・アンサンブル
クシェネクは、シュレーカーに作曲を学び、指揮者としてドイツ各地の歌劇場で活躍。ナチス政権が台頭するまでウィーンで活躍していた音楽家でした。しかしチェコの血をひいていたため、作品が上演禁止となるなど迫害を受け、1938年アメリカ合衆国に亡命。この国での音楽教育に力を注ぎました。このアルバムには彼のほぼ半生に渡って書かれた歌曲や室内楽などの様々な作品が収録されていますが、中でも注目したいのがJ.S.バッハのフーガを研究し、そのテクニックに倣って作曲したという2つの二重フーガです。シンプルな旋律が秩序を持って組み合わされ、巧みな建造物となっていく様子からは、彼の見事な作曲技法が伺えます。後期ロマン派風のトリオ・ファンタジー、ユーモラスなクラリネットのためのモノローグなど、興味深い作品集です。
(ナクソス・ジャパン)
[その他タイトルはこちら]
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2019年01月31日 00:00