カペラ・ガベッタ~ピリオド楽器による『タンゴ・シーズンズ~ヴィヴァルディ&ピアソラ』
[参考映像:Hochrhein Musikfestival 公式チャンネルより]
「カペラ・ガベッタ」は、チェリストのソル・ガベッタの兄であるヴァイオリニスト、アンドレス・ガベッタによって結成されたピリオド楽器アンサンブルで、短い準備期間内に最高のアンサンブルへと進化してきました。
そのメンバーは、彼の友人だけでなく、イル・ジャルディーノ・アルモニコ、バーゼル室内管弦楽団、その他の一流のピリオド楽器グループから招かれています。ソニー・クラシカル、DHMへのレコーディングはすでに高く評価されています。
今作は、ヴィヴァルディの有名な協奏曲集「四季」全曲と、名バンドネオン奏者アストル・ピアソラの名曲「ブエノスアイレスの四季」を、それぞれ交互に組み合わせ演奏したもの。
これまでもこうした演奏や録音はありましたが、ここでは両曲ともピリオド楽器を使用して演奏しています。
さすがに、ピアソラのバンドネオンは現代楽器ですが、ガット弦、バロック弓を使用、そしてチェンバロが加わった独特なピアソラ作品演奏。
若々しく情熱的な18世紀のイタリア・バロックと20世紀のアルゼンチン・タンゴの音世界の相違や、二つの「四季」それぞれの季節感を際立たせており、また部分的にはピアソラがヴィヴァルディを意識していたようにも感じられます。
しかも「ブエノスアイレスの四季」はバンドネオン、ヴァイオリンと室内オーケストラによる編曲版。
バンドネオンのマリオ・ステファノ・ピエトロダルキは、9歳よりバンドネオンをはじめ、2009年にアンドレア・ボチェッリ、アンジェラ・ゲオルギューらとイタリア中部地震チャリティーコンサートが世界中に放送され話題となり、それ以来世界的バンドネオン奏者の一人として高い人気を得ています。
この編曲を行ったのは、イタリアのヴァイオリニストであり作曲家のロベルト・モリネッリ。アンドレア・ボチェッリ、サラ・ブライトマンらとのコラボレーション、様々なオーケストラからの作曲依頼を受ける人気の作曲家です。
このアルバムの最後に収録されたモリネッリの曲は、ヴィヴァルディとピアソラを融合したもので、ヴァイオリン、バンドネオンの名手二人が各々追求する音色や音楽作りが、二人の作曲家の様式を巧みに引き立たせ、最後まで目が離せない演奏となっています。
(ソニーミュージック)
『タンゴ・シーズンズ~ヴィヴァルディ&ピアソラ』
【収録予定曲】
1-3. ヴィヴァルディ:協奏曲集『四季』より「春」ホ長調 RV.269
4. アストル・ピアソラ(ロベルト・モリネッリ編):『ブエノスアイレスの四季』より「冬」
5-7. ヴィヴァルディ:協奏曲集『四季』より「夏」ト短調 RV.315
8. アストル・ピアソラ(ロベルト・モリネッリ編):『ブエノスアイレスの四季』より「夏」
9-11. ヴィヴァルディ:協奏曲集『四季』より「秋」ヘ長調 RV.293
12. アストル・ピアソラ(ロベルト・モリネッリ編):『ブエノスアイレスの四季』より「秋」
13-15. ヴィヴァルディ:協奏曲集『四季』より「冬」ヘ短調 RV.297
16. アストル・ピアソラ(ロベルト・モリネッリ編):『ブエノスアイレスの四季』より「春」
17. ロベルト・モリネッリ:『リローデッド』
【演奏】
カペラ・ガベッタ(ピリオド楽器アンサンブル)
アンドレス・ガベッタ(指揮&バロック・ヴァイオリン)
マリオ・ステファノ・ピエトロダルキ(バンドネオン)
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2019年03月19日 00:00