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日経日曜版「名作コンシェルジュ」に紹介!シリル・ユヴェ『ショパン:スケルツォとバラード』

ユヴェ

2019年5月12日(日)日経新聞日曜版「名作コンシェルジュ」に紹介!
「生々しさもたらすフォルテピアノの響き」(鈴木淳史氏評)

2019年5月12日(日)日本経済新聞日曜版の名物コラム「名作コンシェルジュ」に、フランスのフォルテピアノ奏者シリル・ユヴェ(1954~)が弾いた「ショパン:スケルツォとバラード」が取り上げられました。音楽評論家の鈴木淳史氏は「生々しさもたらすフォルテピアノの響き」と題し、以下のように評しています。

「このアルバムで、ユヴェはプレイエルとエラールの2つのフォルテピアノを弾き分ける。いずれもショパンが愛したメーカーの楽器。作曲家のこんな言葉も残っている。『気分が優れないときは完成された音が出るエラールを弾く。活力があり、自分ならではの音を求めるときはプレイエルを選ぶ』(略)なんといっても、音高が急降下や急上昇するときのエモーショナルなこと。現代のピアノは音も大きく、均質で洗練された響きをもつ。そんな高性能さと引き換えに失ったもの、つまり演奏家と楽器との距離の近さがもたらす生々しさが、フォルテピアノの魅力だ。」

一部の古楽ファンだけに知られていたこのCDが、今回のコラムを機に広く知られることで、フォルテピアノを始めとするピリオド楽器(作曲家が活躍した時代に使われた楽器)の魅力が、少しでも多くの方に伝わることを願いたいと思います。また、コラムで言及されている2018年の第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクールで第2位に入賞した川口成彦のCDも、当ページ下段の「関連商品」に掲載しました。併せてご覧いただければ幸いです。
(タワーレコード)

クラウディオ・アラウの弟子で、師から「最高の継承者のひとり」と見なされていたシリル・ユヴェ。ジェルジ・シフラからも薫陶を受けています。ピアノ音楽の幅広いレパートリーを持っていますが、現代ピアノでの演奏法に、歴史的奏法の概念を取り入れることが、彼の演奏の特徴といえましょう。1970年代おわりから1980年代はじめにかけて、国営ラジオ局フランス・ミュージックにて、「ヴィエイーユ・シール〔古い蝋管〕」と題した、往年の音楽家の演奏を集めたアーカイブ番組を創設。さらに、アルク・エ・スナンとクリュニーで音楽祭を立ち上げています。

このアルバムではショパンの名曲を、1800年代に製作(1991年に復元)されたフォルテピアノで演奏。プレイエルとエラールの2種類の楽器を弾き分け、19世紀初めのパリの雰囲気を再現しています。最近、ショパン作品におけるピリオド楽器使用の演奏が盛んになっていますが、この演奏は発売当時旧EMIの古楽シリーズ「Reflexe」より発売されていたもので、まさに「時代を先取り」をしていたものとして話題となったものでした。演奏自体もなかなか挑戦的であり、楽器の限界に挑むかのような激しい表現も魅力的で、彼が歴史的ピアノ奏者として有名となるきっかけとなった1枚でもあります。
(ワーナーミュージック)

『ショパン:スケルツォとバラード』
【収録曲】
ショパン:
1) スケルツォ第1番 ロ短調Op.20
2) バラード第1番 ト短調Op.23
3) スケルツォ第2番 変ロ短調Op.31
4) バラード第2番 ヘ長調Op.38
5) スケルツォ第3番 嬰ハ短調Op.39
6) バラード第3番 変イ長調Op.47
7) バラード第4番 ヘ短調Op.52
8) スケルツォ第4番 ホ長調Op.54
【演奏】
シリル・ユヴェ(フォルテピアノ)
1-4) 1828/9年製プレイエル (1991年Alain Moysan氏による復元)
4-5) 1838年製エラール (1991年Patrice Sauvageot 氏による復元)
【録音】
1991年7月、フランス、オータン、ヘクサゴン

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2019年05月13日 00:00