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Jackson Browne(ジャクソン・ブラウン)、77年作『RUNNING ON EMPTY(孤独なランナー)』がリマスター復刻

Jackson Browne

72年にアルバム・デビューを飾り、数えきれないほどの傑作/名作を発表、「70年代最高の詩人」や「真のアメリカを語る真のロック・アーティスト」、「アメリカを代表する偉大なるシンガー・ソングライター」など世界中から惜しみない賞賛を受ける最重要アーティスト、ジャクソン・ブラウン。2004年にはロックの殿堂入りを果たし、2007年にはソングライターの殿堂入りも果たす彼が創り出す音楽は、人生に対する真摯な姿勢を見せてくれる心に沁みわたる誠実な歌声や、時に辛辣に社会問題を提起する力強さに満ちている。
74年にウェストコースト・ロックを代表する名盤中の名盤『LATE FOR THE SKY』を発表し、シンガー・ソングイライターというスタイルを確立させた彼は、その後プロフェッショナルなミュージシャンと共にサウンドを強化し、76年に『THE PRETENDER』を発表、ロック・アーティストとしての存在感をシーンに見せつけていった。その作品を経て、その素晴らしいミュージシャン達とともに、ツアーという彼の人生におけるミュージシャンとしての重要な生き様を生々しく捉えるべく独自の手法で制作されたのが、この『RUNNING ON EMPTY』(77年作品)だ。

ツアー中の生活のポートレイトとも言うべきこの作品は、通常のライヴ・アルバムのようにステージ上のパフォーマンスだけを捉えたものではない。ステージ上でのパフォーマンスに加え、ホテルの部屋やバックステージのリハーサル・ルーム、ツアー・バスの中での演奏が生々しく収録されているのだ。通常のライヴ作品とは全く違う、当時としては(現在でも)非常に革新的な手法でレコーディングされた今作は、ジャクソン・ブラウンによる新曲やカヴァー曲などを収録、素晴らしいミュージシャンとのセッションにおける最高の瞬間を見事にレコードに封じ込めた、金字塔的作品とも言えるのだ。

1977年8月17日から9月18日までの間の行われたツアーの間に収録された10曲のライヴ・パフォーマンスを収録したこのアルバム。ジャクソン・ブラウンと共に最高のサウンドを聴かせてくれるのは、ギタリストのダニー・コーチマー、フィドルとラップ・スティール・ギターのデヴィッド・リンドレー、キーボードのクレイグ・ダーギ、ベースのリーランド・スクラー、ドラムのラス・カンケル、そしてバックグラウンド・ヴォーカルのダグ・ヘイウッドとローズマリー・バトラーだ。

キャメロン・クロウがかつて「ライヴ・アルバムというより、もはやライフ(人生の)レコーディング・アルバムだ」と称したこの作品は、全米チャート3位を記録、その後65週にわたりチャート・インし続け、全米のみで700万枚を超えるセールスを記録、7xプラチナム・ディスクを獲得する、彼のキャリアに置いても最も大きな商業的成功を収めた傑作だ。

その傑作が、今回遂に本人監修のもと最新リマスターが施され、今回リリースされることとなった。マスターを担当したのはグラミー賞受賞歴を持つLurssen Masteringのギャビン・ルアーズセン。今回CDに加え180グラム重量盤アナログも同時リリースとなるのだが、アナログ用のマスターを施したのは、巨匠ロン・マクマスター、さらにこのアナログ盤は高音質で有名なドイツのパラス社で製造されており、ジャクソン・ブラウンのこだわりを感じさせてくれる逸品に仕上がっている。