Robert Randolph & The Family Band(ロバート・ランドルフ & ザ・ファミリー・バンド)約2年ぶりの最新アルバム『Brighter Days』
超絶テクのペダル・スティールで現在進行形のファンク・ロックを縦横無尽に奏でるロバート・ランドルフ。彼が約2年振りとなるニュー・アルバムを引っ提げ、シーンに戻ってきた。最新作のタイトルは『BRIGHTER DAYS』。自身のルーツであるゴスペルを始めとする教会ミュージックに向き合った作品である。本作を制作するにあたり、彼がタッグを組んだのは、クリス・ステイプルトンやブランディ・カーライル、スタージル・シンプソンといったアメリカーナ/カントリー・シーン期待のシンガー・ソングライターを手掛けているデイヴ・コブ。「デイヴ・コブは、グッドなミュージックとグッド・ソングをレコーディングするのが好きなヤツなんだ」彼についてロバートはそう表現する。「彼は、何か楽しくて、ゴスペル・フィーリングのあるものを作りたかったんだ。それに、教会音楽から出てきて、その楽しいフィーリングを伝えたいという俺たちの歴史も知っていた」
アルバムからの第1弾トラックとして公開されたのは、「Baptize Me」。ロバート曰く、ありとあわゆる”愛”についての歌であるというこの曲は、デイヴ・コブと共にスタジオに入った最初の日に作られたという。「このアルバムにある曲は、自分たちの始まりを何かしら思い起こさせるんだ。ロックやブルース、ゴスペルやソウル・ミュージックのファンにもアピールできるような音楽性をもった、教会出身の音楽一家として知られていた俺たちを。このアルバムには、そんなゴキゲンなゴスペルやブルース、R&Bのフィーリングが欲しかった。それが自分たちのルーツであることを、聴いている人たちだけじゃなく、自分たちにも思い出させるためにもね」
音楽一家から出てきたロバート。ちなみに彼が率いる”FAMILY BAND”は、「絆の強い仲間たち」のバンドではなく、実の従兄弟や姉妹からなる、本物の”家族”から成り立っているバンドである。「そのことは意外と忘れられがちなんだ」そうロバートは語っている。「いろんな人たちが不思議に思っているんだよ。ファミリー・バンドは本当に家族なのかって。家族だよ!このアルバムでは、その点も思い出して欲しかったんだ」アルバムに唯一収録されているカバー曲、「Simple Man」は、彼と同じように教会音楽から出てきた”家族グループ”、The Staples Singersのものである。
「スタックス・レコードの音楽、またThe Staples Singersを始めとする70年代の音楽の多くは、インスピレーションを与えてくれるような、そして踊って楽しい時間を過ごせるようなものだった。このアルバムで俺たちが追求したかったのは、そこなんだ。良い音を鳴らして、楽しい時間を過ごそう。聴いている人も同じ気分を味わえるようなものをってね。俺たちが始めたころは、教会で演奏するような音楽ばかりやっていた。ただそれを長いジャム・セッションに発展させていただけなんだ」そう語るロバートは、こう締めくくる。「年を重ねていくうちに、フォー・トップスやテンプテーションズ、レイ・チャールズの偉大な音楽のような、ゴスペルや黒人霊歌のルーツを感じさせるような曲を作れるようになってきた。同じところから生まれている、そんな感じがするんだ。勿論、彼らそっくりの音楽を作りたいわけじゃないし、誰かに似せたいとも思わない。でも、彼らの音楽を聴いた時に感じるフィーリング、それを俺たちも感じさせられるようになりたいのさ」
【収録曲】
01. Baptise Me
02. Don't Fight It
03. Simple Man
04. Have Mercy
05. Cut Em Loose
06. Second Hand Man
07. Cry Over Me
08. I Need You
09. I'm Living Off the Love You Give
10. Strange Train
掲載: 2019年08月23日 09:38