古楽アンサンブル「イ・バッシフォンディ」の新録音は17世紀ローマで生まれた初期バロック撥弦作品集
[Outhere Music 公式チャンネルより]
歴史的奏法の向こうに垣間見えるポップな民俗音楽的サウンド。イタリアならではの痛快古楽撥弦盤!
ずばぬけた腕前でバロックギターとテオルボを弾きこなすイタリアの超実力派シモーネ・ヴァッレロトンダによる、気心の知れた共演者たちとの新感覚バロック撥弦アルバム。
ヴァッレロトンダはすでにArcanaレーベルで『にせのアルファベート』と題したアルバムを録音、モンテヴェルディやカッチーニらがオペラという新芸術を爆発的に成功させた1600年前後にあって、イタリアの撥弦芸術がいかに多彩で躍動感にみちたものだったかを肌感覚で伝える名演を聴かせてくれましたが、これはそのさらなる進化形といってよいでしょう。
アルバムタイトルにある600とは、イタリア語で「セイチェント」すなわち17世紀のこと。画家カラヴァッジョや彫刻家=建築家ベルニーニも活躍したバロック都市ローマには、その頃テオルボ奏者カプスベルガーやギター奏者フォスカリーニら凄腕撥弦奏者が集い、名曲も数多く残しています。
アンドレア・ダミアーニとロルフ・リスレヴァンという知る人ぞ知る超名手たちに師事したヴァッレロトンダのくりだす闊達なサウンドは、バロック音楽がいかに自在だったかをモダンかつポップな風合いで理屈抜きに伝えるのみならず、打楽器やバグパイプを交えながらも、歴史的・地域的文脈をふまえつつ刺激に溢れたサウンドを提案。
名手オノフリや人気歌手バラートらゲストの協力も頷ける、突き抜けた音作りに仕上がっています。
(ナクソス・ジャパン)
『ROMA‘600 ~初期バロック撥弦芸術、古楽の「いま」~』
【曲目】
1) ジョヴァンニ・ジローラモ・カプスベルガー(1580頃-1651):アルペッジョ
2) フォスカリーニのグルーヴ (フォスカリーニのコード進行に基づくオノフリによる即興)
3) アルカンジェロ・ローリ(1615-1679):アルカンジェロのトッカータ
4) カプスベルガー:ふざけろ、喜べ、楽しめ、羊飼いたち
5) カプスベルガー:ソルデッリーナ(耳が不自由な少女)
6) 作曲者不詳:チャコーネ
7) トンマーゾ・マルケッティ(1660年頃活躍):ぼくのアウリッラ
8) カプスベルガー:ぼくのアウリッラ
9) シモーネ・ヴァッレロトンダ(1983-):「ぼくのアウリッラ」の調べによるディミヌツィオーネさまざま
10) マルケッティ:モニカ(わたしを修道女にしないで)
11) カプスベルガー:わが溜息はもう
12) マルケッティ:ジルメッタ
13) ジローラモ・フレスコバルディ(1583-1643):「ジルメッタ」の調べによるカプリッチョ
14) ジョヴァンニ・パオロ・フォスカリーニ(1629-47頃活躍):スペインのならず者
15) カプスベルガー:第6トッカータ
16) カプスベルガー:第10ガリアルダ
17) マルケッティ:ロマネスカ
18) マルケッティ:クロリーダ
19) カプスベルガー:アルペッジョ仕立てのロマネスカ
20) マルコ・マラッツォーリ(1602頃-1662):否、わたしは泣くまい
ベルナルド・パスクィーニ(1637-1710):第10ソナタ
21) アレグロ(快速に)
22) アンダンテ(歩く速さで)
23) アレグロ(快速に)
24) フェルディナンド・ヴァルダンブリーニ(1646-47頃活躍):パッサカリア
25) マルケッティ:スパニョレッタ(スペインの少女)
26) ヴァルダンブリーニ:ママにみつかっちゃう
27) マルケッティ:悪いフランス男がわたしを苦しめる
28) アタナシウス・キルヒャー(1602-1680):タランテッラ
29) キルヒャー:タランチュラの毒を浄める調べ
30) カプスベルガー:ジロメッタ
【演奏】
イ・バッシフォンディ
[メンバー]
シモーネ・ヴァッレロトンダ
(6コースのリュート、テオルボ、アーチリュート、バロックギター、キタッラ・バッテンテ、総指揮)
ステーファノ・トダレッロ
(コラシオーネ、テオルボ、キタッラ・バッテンテ、リコーダー、ソルディーナ〔バグパイプ〕、ケルト式バグパイプ)
ガブリエーレ・ミラークレ
(打楽器、シェタヴァヤッセ、コラシオーネ)
エンリーコ・オノフリ(バロック・ヴァイオリン)…2
エメーケ・バラート(ソプラノ独唱)…4、11、20
【録音】
2018年11月3-8日、サン・ジョヴァンニ宮殿、アレッサーノ(南イタリア・プーリア州レッチェ県)
[日本語解説付]
解説・歌詞日本語訳:白沢達生
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2019年08月30日 00:00