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10月2日更新:随時更新!『アビイ・ロード』50周年記念!タワレコのビートルズ好きスタッフが選ぶビートルズ関連作品特集

アビーロード50周年記念 タワレコのビートルズ好きスタッフが選ぶビートルズ関連作品

選盤・コメント/吉祥寺店:巻本拓也

『アビイ・ロード』50周年記念エディション発売を記念して、全国のタワレコのビートルズ好きスタッフが関連作品をご紹介!『アビイ・ロード』の世界を深める一枚やザ・ビートルズ入門にも最適の一枚が見つかるかも?今回は吉祥寺店:巻本拓也氏の選盤、コメントでお届けします!

『アビイ・ロード』がリリースされた50年前(1969年前後)の音楽シーンを知る為の5選

 

 

特にお勧めのアルバムは『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ』The Velvet Underground

60年代後半のサイケデリック/フラワームーブメント。愛と平和のウッドストックよろしく、ビートルズ含め極彩色に染まる世の中に異を唱えたのが、我が師ルー・リード率いるヴェルヴェッツ。サングラス×全身黒尽くめでヒッピーなんてクソくらえ!とNOを掲げた彼らが歌ったのはNYのリアル。メランコリックな日曜日の朝から繰り広げられるのは、ドラッグの売人を待つ男の心境、同性愛やSM、ヘロイン賛歌や天使の死。ミステリアスなニコの歌唱やルー・リード天性のソングライティングも光りつつ、フィードバックノイズを多用した前衛かつ暴力的なサウンドで当時のNYの雰囲気を描き、結果他の何よりも眩いサイケデリックなアルバムに。NYポップアートの巨匠アンディ・ウォーホルのあまりに有名なバナナの中身はとんでもなくワイルドサイドだった。このカウンターの精神は、長い時間を掛け全てのパンク/オルタナティブな概念の創始となったのです。この1枚が無かったらどんなにロックが退屈だった事でしょう。

 

お勧めビートルズカバー・アルバム、カバー曲収録アルバム、サントラ作品

 

 

特にお勧めのアルバムは『Young Americans』David Bowie

地球征服をしたペルソナ=ジギースターダストを葬ったボウイはジョン・レノンに接近し「Fame」を共作、アメリカでも本格的に成功した本作で「Across The Universe」をカバー。グラムロックから大胆な舵を取りアメリカン・ソウルにどっぷり浸っていたこの頃のボウイは自らを皮肉し、白人によるソウル=プラスティック・ソウルを提唱。ジョンが描いたメロディーの中でも屈指の美しさを放つドリーミーなこの曲も最高にセクシー&グルーヴィーなソウル・アレンジで大胆カバーしてます。変貌ぶり、憑依型によりカメレオン的イメージの強いボウイですが、何より歌の凄さに一発で圧倒される極上のカバー。ドラッグの影響で40kg台まで痩せこけた体とは思えない、キャリア随一に危うくもエモーショナルな歌唱を聞かせてくれます。心身がボロボロだったせいでボウイ本人もこの頃の作品をあまり好んでないようですが、誰が何と言おうと74~75年のボウイが一番色気があり、一番ヤバく、一番私を魅了するのです。

 

2000年代以降に発売され、今後50年後まで残るであろう名盤

『空洞です』ゆらゆら帝国

年代やジャンル国籍問わず様々な音楽を嗜んできたつもりですが、世界中どこを探してもこのサイケデリアは存在しない。あまりにも唯一無二なゆらゆら帝国のラスト・アルバムにして完成形。日本におけるガレージ・サイケの象徴、ファズ・ギターの名手だった坂本慎太郎が一切の歪みを捨て、トレモロの揺らぎで描いた前人未到の音世界。新しい概念。新しい帝国。冒頭「おはようまだやろう」「できない」「あえて抵抗しない」から畳みかけるようにサウンド、曲名、曲順、歌詞、その全てで完璧に醸し出し続ける「空洞」感。その異質なムードもさることながら楽曲の良さも光り、ゆら帝屈指のソングライティングを誇るラストのタイトル曲は、ゆら帝という存在を描いたかのような象徴的歴史的名曲。この作品を生み出した事で到達=解散になったと本人達が言うのも納得でき、今尚そのポジションは完全に空洞です。正に、ぼくの心をあなたは奪い去った。日本で生まれ、世界にユラユラ揺らぎ続けるであろう名盤。

 

選盤・コメント 吉祥寺店:巻本拓也

50周年を迎えた『アビイ・ロード』に関する印象や思い出

あまりに有名な名盤なだけに、捻くれ者だった私は長いこと距離を取ってまともに聴かずにいましたが、結局好きな音楽を追っていく毎に後期ビートルズにぶち当たり、避けては通れないものだと相成りました。ジョン・レノンのオノ・ヨーコ愛がヘヴィなサイケで炸裂する「I Want You(She's so heavy)」にはビートルズのイメージを一変させられたのです。他にもエレカシの初オリジナル曲「やさしさ」のメロディー原型?ともとれる「Oh!Darling」、近年ポールのライブ終盤の定番にもなっている「Golden Slumber」からの3曲メドレーのプログレ展開(昨年初めて拝んで大感動!)など、バラエティ豊かどころかだいぶとっ散らかってる印象もありましたが、その個性のぶつかり合いこそが感動的であり、歴史を築いた世界一バンドのその貪欲な音楽表現の数々にただただ感服。様々な音楽や時代と呼応しつつ他を圧倒するソングライティングで、キャッチーさと実験性を兼ね備え「結局一番凄い」とひれ伏される、まさしくビートルズの凄みが凄いThe End。

The Beatles『アビイ・ロード』50周年記念エディション 9/27(金)発売!

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The Beatles『アビイ・ロード』50周年記念エディション

タグ : Abbey Road 50th

掲載: 2019年10月01日 17:26