アラン・ルフェーヴル&エレーヌ・メルシエ~アンドレ・マテュー:ケベック協奏曲&2台のピアノのための作品集
「カナダのモーツァルト」と称された作曲家アンドレ・マテューの美しき旋律!
カナダ、ケベック出身のピアニスト、作曲家アンドレ・マテュー(1929-1968)。父はピアニスト、母はヴァイオリニストという音楽一家で育ち、4歳で最初のピアノ曲を作曲したという才能の持ち主。5歳の時にはオーケストラと共演し、7歳でケベック州の奨学金を獲。「カナダ、ケベックのモーツァルト」とも称され、ラフマニノフからも一目置かれていましたが、成長するにつれ、名声を失い、最期はアルコール依存症に陥り、39歳の若さでこの世を去ってしまいました。
生前に200作以上の作品を遺したものの、それらは未整理の状態であり、ほとんどが忘れられてしまいました。しかし1976年のモントリオール五輪でもその作品が演奏され、どこかラフマニノフを彷彿とさせる美しい旋律と劇的な作風が人気を博し、マテューの作品も少しずつ演奏されるようになってきています。
そんなマテューの作品ですが、カナダのピアニスト、アラン・ルフェーヴルはすでに40年間も彼の作品を演奏し続け、その復権に尽力しています。
このアルバムに収録された「ピアノ協奏曲第3番」は、1942年の秋、まだ13歳だったマテューが作曲を初め、翌夏に完成させたという作品。どこかラフマニノフを彷彿とさせる美しい旋律と劇的な作風で、のちにカナダ映画「La Forteresse(1947)」で使用され人気を博しましたが、オリジナルの譜面は失われてしまい、2008年になってジョージ・ニコルソンが作曲者直筆のスコアを発見し、アラン・ルフェーヴルらと共に3年の歳月を費やして復元を施した後、2017年2月に世界初演が実現した作品です。
管弦楽伴奏版は、Analektaレーベルよりルフェーヴルのピアノ演奏で発売されていますが、今回はそれの元となった2台ピアノ版での演奏です。
他の2曲も、1940年代に書かれた表現力豊かな驚くべき作品。真の天才の作品をぜひお楽しみください。
(ワーナーミュージック)
【曲目】
アンドレ・マテュー(1929-1968)[アキレウス・ワストルによる2台ピアノのための編曲版]:
1) ラプソディー・ロマンティーク
2-4) コンチェルティーノ第2番 Op.13
5-7) ピアノ協奏曲第3番(ケベック協奏曲の原典版による)
【演奏】
アラン・ルフェーヴル & エレーヌ・メルシエ(ピアノ)
【録音】
2019年4月13-16日、ケベック、ドメーヌ・フォルジェ
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2019年12月20日 00:00