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Marc Almond(マーク・アーモンド)、クリス・ブレイドと組んだ新作『CHAOS AND A DANCING STAR』

Marc Almond(マーク・アーモンド)

ソフト・セルのヴォーカリストとしてその名を世に知らしめた、耽美派テクノ・ポップ・ミュージシャン、マーク・アーモンド。2019年ジュールズ・ホランドとのコラボレーション・アルバム『LOVELY LIFE TO LIVE』を発表した彼が、早くもニュー・アルバムを完成させた。ロックからソウル、エレクトロにシャンソンまで、多種多様なジャンルのアーティストとコラボレートしながら、自身のアヴァンギャルドで耽美な唯一無比なポップ・サウンドを豊かに花開かせてきた彼だが、この最新アルバムでタッグを組むのは、SIAやラナ・デル・レイとの仕事で知られる、プロデューサー/シンガーソングライター/ピアニスト、クリス・ブレイドである。ちなみにクリス・ブレイドは2015年のアルバム『THE VELVET TRAIL』でもソングライティングやプロデュースを手掛けており、今回が約5年振り、2回目のコラボレーションとなる。

アルバムのタイトル『CHAOS AND A DANCING STAR』は、ニーチェの『ツァラトゥストラはかく語りき』の一文から取られているという。また曲のタイトルは、それぞれの楽曲が持つテーマを反映している。例えば、「Black Sunrise」や「Dust」といった曲では”死”が描かれ、「Cherry Tree」や「When The Stars Are Gone」といった曲では、何かを遺し、別れを告げるといったテーマを含んでいる。そしてアルバム全体を通して、カラスが象徴的なテーマとして扱われてもいるのだ。「私はロマンチックで黙示録的なラヴ・ソングを作り、それらを運命的な終末世界の中に置いてみたかった。絶望に未だ至っていない神秘的な異教主義の要素も加えながら」そうマークはアルバムについて語り、さらに続ける。「我々が今生きている、この不調な世界を反映しているんだ」

この他、ソングライティングを行ったロサンゼルスからインスパイアされたような、「Hollywood Forever」や「Chevrolet Corvette Stringray」などもアルバムに収録されている。アルバムからの第1弾トラックとなるのは、ドラマティックな荘厳さが漂う「Lord Misrule」。どことなく異教的なクリスマス・ソングの雰囲気が漂うこの楽曲にフルートで参加しているのは、何と、あのジェスロ・タルのイアン・アンダーソン!マークの音楽的懐の深さが伺えるコラボレーションでもある。

ソフト・セル時代から約40年に亘り、独自の耽美で退廃的な美学をもってミュージック・シーンに影響を与えてきた、マーク・アーモンド。果敢に新たな音楽を取り込み、己の内なる混沌から新たなダンシング・スターを生み出す彼の最新章を心して聴け!

掲載: 2019年12月24日 14:46