ゲルギエフ&ミュンヘン・フィル~聖フローリアン修道院ライヴでのブルックナー交響曲全集が完結!
ゲルギエフ&ミュンヘン・フィルの、リンツ、聖フローリアン修道院でのブルックナー・ライヴ
交響曲第4~7番が登場し全集完結!(第4は再録音)
ミュンヘン・フィル自主制作録音盤、2015年9月より首席指揮者に就任したワレリー・ゲルギエフとミュンヘン・フィルならではの重厚なパワーときらめくような優雅さ、美感をも引き出す練達のゲルギエフの熱血指揮に応えるべく、弦も管も打楽器ももてる最高のものを出し尽くした集中力と緊迫感によって、深く熱く濃密となったこの新コンビの音楽は非常に高い評価を得ています。既に発売済みの他の交響曲では、「伝統的なブルックナー特有の神秘性や宗教性を抜けだし、素朴な美しさと推進力が融合された画期的な解釈」。また「教会の残響と各楽器が絶妙なバランスで、まったく混濁することのない録音」と演奏・録音の面でも高い評価を得ています。
(ワーナーミュージック)
【収録曲】ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」
【演奏】ワレリー・ゲルギエフ(指揮)ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
【録音】2017年9月26日、リンツ、聖フローリアン修道院でのライヴ
この4番は自然描写を含むなど、ブルックナーの交響曲としては標題音楽的な傾向が強く,最も親しまれている作品。すでに2015年9月のミュンヘン、ガスタイクでのライヴ録音も発売されています(9305.211208)が、それから2年してからの演奏はさらに技術的な能力と経験を結びつけることに成功おり、聖フローリアン修道院の残響と共に、第1楽章冒頭のホルンの濃厚な音色、木管楽器群との美しい対話、それに続くに弦の壮麗なトゥッティへと、ミュンヘン・フィルならではの重厚なパワーときらめくような優雅さ、美感をも引き出す練達のゲルギエフの熱血指揮に応えるべく、弦も管も打楽器ももてる最高のものを出し尽くした集中力と緊迫感によって、深く熱く濃密な演奏です。拍手はカットしております。
【収録曲】ブルックナー:交響曲第5番変ロ長調
【演奏】ワレリー・ゲルギエフ(指揮)ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
【録音】2019年9月23-24日、リンツ、聖フローリアン修道院でのライヴ
この5番は、フィナーレに壮大なフーガを含むモニュメンタルな作品。チェリビダッケ時代のミュンヘン・フィルの究極のブルックナー演奏、その後、ヴァント、ティーレマン指揮の名演奏などがありましたが、このゲルギエフの演奏においてもその懐深く、悠然たる風格に満ちた、極上のブルックナーが演奏されています。低弦のピッツィカートの厳かな足音、完璧に奏する金管の柔らかな音の魅力、ごく静かな弦のトレモロの響きなど、ここではオーケストラのパワーではなく、誇張のない荘厳で宗教的な感興による誠実な音楽が奏でられています。拍手はカットしております。
【収録曲】ブルックナー:交響曲第6番イ長調
【演奏】ワレリー・ゲルギエフ(指揮)ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
【録音】2019年9月24-25日、リンツ、聖フローリアン修道院でのライヴ
この6番は、中規模で,ブルックナー後期の創作活動への道を探る過渡的な作品と位置づけられており、ブルックナー自ら「対位法の傑作」とみなした交響曲第5番とは対照的に簡明で判り易く、特に目立った楽想はないのですが,自然な美しさと情感を持っており、ブルックナーには珍しく,一度も改訂が行われなかった作品でした。ゲルギエフは、ロマン的な瞑想性の上にあるのびやかな抒情性と明快さを際立たせています。そのため格調高く音に暖かさが感じられ、誇張のない誠実な演奏解釈、ミュンヘン・フィルの独特のリズムと躍動感が、この曲の自然の空気感を引き立たせています。拍手はカットしております。
【収録曲】ブルックナー:交響曲第7番ホ長調
【演奏】ワレリー・ゲルギエフ(指揮)ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
【録音】2019年9月25-26日、リンツ、聖フローリアン修道院でのライヴ
この第7番は、1884年12月30日。ライプツィヒでニキシュの指揮によって初演され,ブルックナーの名声を一挙に高めることになった作品。第2楽章には「敬愛する巨匠」ワーグナーへの追悼の気持ちが深い金管の響きによって表現されています。ゲルギエフは、ミュンヘン・フィルの持つ独特の響きと技量を発揮させているだけでなく、聖フローリアン修道院の残響を利用し、教会と追悼という音楽にふさわしい透徹した知力を発揮し、けっしてオーケストラのパワーに頼ることなく、名作へ真摯にアプローチしています。その明晰性、見事なテンポ感覚の新ブルックナー像は、これまで行ってきたブルックナー全曲演奏の最後の曲目として周到な準備が行われ、緻密さと雄大さを見事に融合させています。
カテゴリ : ニューリリース | タグ : ANTON BRUCKNER
掲載: 2020年07月10日 12:00