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Walter Trout(ウォルター・トラウト)|キャリア50年のベテラン・ブルースマン、魂のアルバム『ORDINARY MADNESS』

Walter Trout

苦難の時にこそ、ブルースは輝く。1960年代後半から活動を続け、一時は死線もさまよったキャリア50年選手、モダン・ブルース・ロック・シーンそしてブルースの生き様を体現するアーティストの1人、ウォルター・トラウト。変わりゆく時代を見つめる彼が2019年の『SURVIVOR BLUES』に続く、魂のブルース・アルバム『ORDINARY MADNESS』を完成させた。

『ORDINARY MADNESS』は、長年タッグを組んできたプロデューサー、エリック・コーンとともに、ドアーズのロビー・クリーガーが所有するロサンゼルスのスタジオでレコーディングされた。CDは、コースター2枚にポスターとギター・ピック4枚がボックスに封入されたデラックス・ヴァージョンでの発売となる。

ニュー・アルバム『ORDINARY MADNESS』で彼は自身のブルース・ミュージックをより深く、広く掘り下げていった。前作『SURVIVOR BLUES』では、今まで誰もカヴァーしたこともないような、古くて誰も知らないような曲をカヴァーした彼だが、今作では“自分自身のソングライティング”に焦点を当てているという。

「俺はソングライターでもあるんだ。もちろん、自分のやることすべてにブルースが根差しているし、その事実から背を向けることはない。でも『ORIGNARY MADNESS』には、自分のソングライティングの成長がみられる。俺は常々ニール・ヤングやボブ・ディランのように、敢えて危険を冒そうとするアーティストをリスペクトしてきた。その彼らが俺にも同じことをやれとインスピレーションを与えてくれた」。

これまでの彼の作品同様、本作『ORDINARY MADNESS』は極めてパーソナルでありつつも、どこにでも、誰にでも起こりうるテーマを取り上げている。アルバムに取り掛かり始めた時、彼な自分自身の弱さや欠点に向き合っていたと説明する。しかし今年に入り、世界がコロナウイルスのパンデミックに見舞われ、彼は曲を作りながら、自分の抱えている感情が、実は誰にでも当てはまるものだと気づいた。ソングライターであるウォルターの視点から紡がれるメッセージは、彼自身が決して楽ではない人生を歩んできたからこそ、この世界的に不確かな時代に力強く響くのだ。

「アルバムをリリースするのが待ちきれないよ」そうウォルターは語る。「この時代だからこそ、訴えるものがここにはあると思う」

掲載: 2020年08月25日 12:20