平崎真弓とロレンツォ・ギエルミのデュオと仲間たちによる『スコルダトゥーラの技法』~ビーバーからタルティーニまでのヴァイオリン作品集
平崎真弓とロレンツォ・ギエルミのデュオと仲間たちによるスコルダトゥーラ(変則調弦)を使用したバロック・ヴァイオリン作品集
現在、ヨーロッパで最高のバロックデュオとして高く評価されている、平崎真弓とロレンツォ・ギエルミのデュオと仲間たちによるスコルダトゥーラを使用したバロック・ヴァイオリン作品集です。
スコルダトゥーラとは変則調弦のことで、弦楽器の調弦を通常とは異なる調にし、響きや音色を変化させる技法のこと。
主にバロック時代のボヘミアで流行しましたが、このアルバムには、ボヘミアのビーバーとその弟子のフィルスマイヤーの作品だけでなく、スコルダトゥーラを初めて作品に導入したというイタリアのマリーニから、ミラノ出身のロナーティ、ヘンデルの同僚でイギリスで活躍したカストルッチ、「悪魔のトリル」で知られるタルティーニまで、ボヘミア以外の作曲家のスコルダトゥーラによるヴァイオリン作品も集めた好企画盤です。
平崎真弓は数種類のヴァイオリンと多様に調弦された楽器を用いて、まばゆいほどの技巧でこの一風変わった、なんとも魅力的なヴァイオリン作品の数々を奏でています。時折加えられる即興的装飾もセンス抜群です。
ギエルミら精鋭揃いの通奏低音奏者たちも、雄弁な演奏で見事にヴァイオリンを支えています。驚くほど豊穣で多彩なスコルダトゥーラの技法を、圧巻の演奏で堪能できる一枚です。
国内仕様盤(KKC 6314)にはベルント・ハイダー著「響きのカメレオン」の香住隼による翻訳・補筆・注の日本語解説書付。実に読み応えのある内容となっております。
(キングインターナショナル)
『スコルダトゥーラの技法』~ビーバーからタルティーニまでのヴァイオリン作品集
【曲目】
1.ハインリヒ・イグナツ・フランツ・ビーバー(1644-1704):ソナタ第6番 ハ短調、C143
~ ヴァイオリン独奏のためのソナタ集(ザルツブルク/ ニュルンベルク1681年)
2.ヨハン・ヨゼフ・フィルスマイヤー(1663-1722):ヴァイオリン・パルティータ第5番 ト短調
~ 宮廷のための技巧的調べ(ザルツブルク1715年)
3.カルロ・アンブロジオ・ロナーティ(1645-c.1715):ヴァイオリン・ソナタ第1番(第7番)ト短調
~ ヴァイオリンと低音のための12のソナタ(ミラノ1701年)
4.作曲者不明:ヴァイオリン独奏のためのバレット ト短調
~ クレムジア/クロムニェジーシュに残る手稿譜 A4683(1670年以後)
5.ピエトロ・カストルッチ(1679-1752):ソナタ第12番 イ長調
~ ヴァイオリンとヴィオローネまたはチェンバロのためのソナタ集作品1(アムステルダム1718年)
6.ジュゼッペ・タルティーニ(1692-1770):パストラーレ イ長調
~ 低音を伴うヴァイオリンのための12のソナタ作品1(ロンドン1734年)
7.ビアッジョ・マリーニ(1594-1663):ヴァイオリンのための創意の第2ソナタ
~ 風変わりで当世風のソナタ、シンフォニー、カンツォン...作品8(ヴェネツィア1629年)
【演奏】
平崎真弓(ヴァイオリン)
[使用楽器]
・クリスティアン・ザガー(チューリッヒ2003年)
スコルダトゥーラ g-d’-a’-e’’(ビーバー&マリーニ)
スコルダトゥーラ g-d’-a’-d’’(ビーバー、フィルスマイヤー&作曲者不明の作品)
スコルダトゥーラ a-e’-a’-e’’(タルティーニ)
スコルダトゥーラ g-d’-a’-c’’(マリーニ)
・ジュゼッペ・ガッフィーノ(パリ1750年頃)
スコルダトゥーラ g-d’-g’-d’’(ロナーティ)
・ティエルケ周辺の製作者(ハンブルク1700年頃)
スコルダトゥーラ a-e’-a’-e’’(カストルッチ)
クリストフ・ウルバネツ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ヨハネス・レッシャー(ヴィオローネ)
ミヒャエル・フライムート(リュート、テオルボ、バロック・ギター)
ロレンツォ・ギエルミ(チェンバロ)
【録音】
2019年11月16-19日(セッション録音)
ドイツ放送カンマームジークザール(ケルン)
[日本語帯・解説付き]
ベルント・ハイダー著(翻訳・補筆・注:香住隼)
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2020年10月22日 00:00