小菅優によるコンサート・シリーズ『Four Elements』第3弾!今回はベートーヴェン、ドビュッシー、ヤナーチェク、ラモーなど「風」がテーマ
ピアニスト、小菅優が2017年から取り組んで来たコンサート・シリーズ「Four Elements」(四元素/水・火・風・大地)。第3作のテーマは「風」。
旧約聖書の創世紀では、最初の人間アダムの誕生についてこう書かれています:「主なる神は、土の塵で人を形づくり、その鼻に命の息を吹き入れられた。人はこうして生きる者となった。」人間の生命について、聖書に限らず伝説や神話の中でも、魂や霊のような目に見えないものの存在がよく出てきます。(中略)息、風、大気、魂、命・・・今回の公演では、目に見えないものに焦点をあて、さわやかな風の描写をはじめ、ミステリアスで内面的な作品を中心に人間の心の奥深くまで探っていきたいと思います。
(小菅優、2019年のコンサート・プログラムより)
彼女が幼いころから好きだったというラモー、クープラン、ダカンと言ったフランス・バロックの小品で始まり、毎回必ず含まれる日本人作曲家の作品、西村朗の『カラヴィンカ(迦陵頻伽 かりょうびんが=極楽に住むとされる人間の顔、鳥の体を持つ特別な鳥で、美しい声によって仏陀の言葉を歌い、人々の魂を救済するとされています)が続きます。そして、彼女の代名詞とも言えるベートーヴェン作品からの『テンペスト(嵐)』、ドビュッシーの前奏曲から風にまつわる3曲が続き、「この曲でプログラムを終えたい」と願ったヤナーチェクの『霧の中で』で幕を閉じるという構成。どの曲も神秘的な雰囲気を携えながら、聴き手の想像力を強く刺激します。
近年ますます実力を深める彼女の多彩な表現力を存分に味わえる1枚です。
(ナクソス・ジャパン)
『Four Elements(四大元素)Vol.3:Wind(風)』
【曲目】
1. ダカン(1694-1772):クラヴサン曲集第1巻 第3組曲より「かっこう」
2. ダカン:クラヴサン曲集第1巻 第1組曲より「荒れ狂う嵐」
3. フランソワ・クープラン(1668-1733):クラヴサン組曲第3巻 第17組曲より「小さな風車」
4. ラモー(1683-1764):クラヴサン組曲と運指法第1番(第2組曲)より「鳥のさえずり」
5. 西村 朗(1953-):迦陵頻伽 カラヴィンカ(2006)
6-8. ベートーヴェン(1770-1827):ピアノ・ソナタ 第17番 ニ短調「テンペスト」 Op. 31-2
9. ドビュッシー(1862-1918):前奏曲集第1巻 第2曲「帆」
10. ドビュッシー:前奏曲集第1巻 第3曲「野を渡る風」
11. ドビュッシー:前奏曲集第1巻 第7曲「西風の見たもの」
ヤナーチェク(1854-1928):霧の中で
12. 1. Andante
13. 2. Molto adagio
14. 3. Andantino
15. 4. Presto
【演奏】
小菅 優(ピアノ)
【録音】
2020年9月22-24日
b-sharpスタジオ、ベルリン、ドイツ
[国内仕様盤には小菅優による日本語解説付き]
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2021年01月19日 00:00