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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.127

チャールズ・ミンガス『ミンガス・アー・アム』(1959)

CM

チャールズ・ミンガス(b)
ジョン・ハンディ(as)
シャフィ・ハディ(as, ts)
ブッカー・アーヴィン(ts)
ジミー・ネッパ―(tb) on 1,6,7,8,9
ウィリー・デニス(tb) on 2,3,4,5
ホレス・パーラン(p)
ダニー・リッチモンド(ds)

1959年5月5日、12 日録音

曲目(オリジナル発売時):
01.ベター・ギット・イット・イン・ユア・ソウル
02.グッドバイ・ポーク・パイ・ハット
03.ブギー・ストップ・シャッフル
04.三色の自画像
05.オープン・レター・トゥ・デューク
06.バード・コールズ
07.フォーバス知事の寓話
08.プシー・キャット・デューズ
09.ジェリー・ロール

【アルバム紹介】
1.ジャズ・ベースのレジェンド、チャールズ・ミンガスの傑作
2.ユニークなミンガスのオリジナル名曲がそろい、コンポーザー・ミンガスの才能を知る
3.サックス3人にトロンボーン、ピアノ、ドラムスという独自の編成

前回ご紹介いたしましたホレス・パーランは1960年にブルーノート・レーベルで初リーダー作を含めレコーディングを開始する前年の1959年5月、ジャズ・ベースのレジェンド、チャールズ・ミンガスの傑作のレコーディング・セッションに参加していました。それがこの『ミンガス・アー・アム』です。
このコーナーでは2019年6月にVol.29で名作『直立猿人』でミンガスを取り上げておりましたが、本作はミンガスのアルバムの中でもユニークなミンガスのオリジナル名曲がそろった一枚です。

2曲目の“グッドバイ・ポーク・パイ・ハット”は名テナー・サックス奏者レスター・ヤングを哀悼して作られた名バラードでロック方面ではジョニ・ミッチェルやジェフ・ベックのカヴァーも有名、3曲目“ブギー・ストップ・シャッフル”は雑多な要素が多いミンガスの楽曲中キャッチーでスタイリッシュな躍動感あふれるナンバー、そして7曲目“フォーバス知事の寓話”は人種差別的な知事を揶揄した一種のプロテスト・ソング、といった具合に代表曲が並び、コンポーザーとしてのミンガスの才能をも知る内容になっています。

編成はミンガスのベースを筆頭に、サックス3人にトロンボーン、ピアノ、ドラムスという独自の編成となっており、ミンガス・ミュージックをクリエイトする上で、必然だったと思われるプレイヤーが参加。またプロデュースはマイルス・デイヴィスの傑作を送り出した名プロデューサー、テオ・マセロというのも興味深い要素です。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
静かなる鎮魂歌“グッドバイ・ポーク・パイ・ハット”。

先述の通り、名テナー・サックス奏者のレスター・ヤングを偲んで書かれたミンガスの名曲で、数あるミンガスの楽曲中、もっとも多くのミュージシャンにカヴァーされたナンバーとなっています。 本作での演奏はその初演で、ここで聴けるように元来インストゥルメンタルの曲ではありますが、そこにジョニ・ミッチェルが歌詞をつけたヴォーカル・バージョンも多くのカヴァーが存在しています。
曲はイントロもなくサックスのユニゾン・アンサンブルで奏でる、印象的な荘厳かつブルーなメロディで始まります。テーマ提示後はクワイエットな雰囲気のまま、テナー・サックスのソロに移りますが、そのまま終始、クール&ダークネスな空気感は変わらず、テーマに回帰して、静かにエンディングになります。
天才ミンガスの音楽はやや難解に受け止められることも多いですが、そこに潜む独創性は他に類を見ないものであり、本作ではそれを存分に堪能できます。

国内盤CD(一般普及盤)

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2021年05月07日 10:00