注目アイテム詳細

ポゴレリチ24年ぶりのショパン・アルバム!ショパン:ピアノ・ソナタ第3番、夜想曲&幻想曲

ポゴレリチ
(c)Andrej Grilc

ポゴレリチ、四半世紀を経て原点のショパンへと回帰
ショパン:ピアノ・ソナタ第3番、夜想曲&幻想曲

巨匠ピアニスト、イーヴォ・ポゴレリチのソニークラシカルとの長期専属契約第2弾アルバムとなる『ショパン:ピアノ・ソナタ第3番、夜想曲&幻想曲』が、2月16日に日本先行発売される。これはポゴレリチにとって何と24年ぶりのショパン・アルバムとなる。
ショパンの作品はポゴレリチの演奏活動の中で重要な位置を占めてきた。22歳のポゴレリチが世界的な注目を浴びたのも、1980年にワルシャワで開催されたショパン国際コンクールへの出場だった。コンクールでの彼のショパン作品の型破りな演奏は、審査員の一人であったマルタ・アルゲリッチをして「彼は天才よ」と発言させたほどであった。ポゴレリチのショパンへの取り組みはやがてリサイタルやレコーディングにも反映され、コンクールの翌年の1981年から1995年にかけて4枚のオール・ショパン・アルバムを録音している。
ポゴレリチにとって5枚目のショパン・アルバムとなる本作に彼が選んだのは、ショパン最晩年の1840年代の作品ばかりで、いずれも彼にとって全曲初録音。ポゴレリチのショパン解釈は、耳当たりの良いサロン作曲家という一般的なショパンのイメージを覆すもので、その骨太かつ繊細な演奏は作曲家の魂の叫びを呼び覚ますかのようだ。アルバム冒頭の、魔法のようなリリシズムで知られる2曲の「夜想曲」は、ポゴレリチの手にかかると、心を揺さぶるような緊張感とドラマが満ち溢れてくる。陰鬱なムードに包まれた「幻想曲ヘ短調」では、生前のショパンが賞賛された即興性がクローズアップされている。またショパンがソナタという形式に新たな概念を盛り込んだ「ピアノ・ソナタ第3番」では、ポゴレリチによって、これまで予想もしなかったような聴体験へと導かれるかのようだ。
ポゴレリチはこれらの作品が、人間の魂への橋渡しとなる音楽であると高く評価している:「ショパンの音楽は、人間の心理を理解するための招待状だ。この招待を受けて、ピアニストは、ピアノという楽器が表現できうるあらゆる可能性を絶えず探求することになる。この探求のプロセスには決して終わりがない。将来にわたって新しい世代のピアニストたちに課題を与え続けるのだ。」
ポゴレリチの過去の日本でのリサイタルのプログラムを紐解くと、「ピアノ・ソナタ第3番」は早くも1983年の2度目の来日で取り上げられ、2曲の「夜想曲」も1991年来日の演目に含まれていたことがわかる。この3曲は以後の日本公演でも繰り返し取り上げられており、ポゴレリチにとっていわば自家薬籠中のレパートリーでもある。一方でポゴレリチはここ数年、これまでレコーディングのなかったショパン作品も少しずつレパートリーに加えている。「幻想曲ヘ短調」もその一つで、コロナ禍で中止になった2021年3月の来日公演で披露されるはずであった。
アルバムのレコーディングは、2021年の夏、リストの生地として知られるオーストリアのライディングで行われた。会場は、現在博物館となっているリストの生家に隣接して2006年に建設された、約580名のキャパシティを持つフランツ・リスト・コンサート・ホール。ポゴレリチはこのホールの音響を気に入っており、ソニークラシカル移籍第1弾となった『ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ第2番&ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第22・24番』でも使われている。
(ソニーミュージック)

【収録曲】
ショパン
1 夜想曲 第13番 ハ短調 作品48の1 [7:44]
2 夜想曲 第18番 ホ長調 作品62の2 [7:41]
3 幻想曲 ヘ短調 作品49 [16:11]
ピアノ・ソナタ 第3番ロ短調 作品58 [32:57]
4  第1楽章 アレグロ・マエストーソ [11:21]
5  第2楽章 スケルツォ モルト・ヴィヴァーチェ [3:58]
6  第3楽章 ラルゴ [11:30]
7  第4楽章 フィナーレ プレスト・ノン・タント [6:05]
 
Total Playing Time [64:30]
 
イーヴォ・ポゴレリチ(ピアノ)
 
[録音]2021年9月2日~10日、オーストリア、ライディング、フランツ・リスト・コンサート・ホール
[エクゼクティヴ・プロデューサー&アーティスティック・スーパーヴァイザー]アヴォ・クユムジアン
[レコーディング・エンジニア]トーマス・ラング
[ポスト・プロダクション]アヴォ・クユムジアン&トーマス・ラング
ピアノはスタインウェイ・オーストリアの提供による
[ピアノ調律]アウグスト・ファウレント=ヘーフェラー
 
【イーヴォ・ポゴレリチ プロフィール】
1958年クロアチア、ベオグラード生まれ。モスクワ・チャイコフスキー音楽院で学び、1980年ショパン・コンクールで、本選に届かず落選したことが話題に。1981年カーネギーホール・デビュー以来、世界中で活躍。ドイツ・グラモフォンに14枚のソロアルバムを録音するも1998年以降20年近く録音から離れていた。2019年にソニークラシカルと長期専属契約を結び、録音を再開、その展開が世界の音楽ファンの注目を浴びている。

ポゴレリチ
(c)Andrej Grilc

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2021年12月01日 00:00

更新: 2022年01月07日 12:00