ブリュノ・コクセ&モード・グラットンによるベートーヴェン:チェロ・ソナタ第1番~第3番
古楽界の革新的名手2人によるベートーヴェン始動!
チェロを中心に様々な中低弦古楽器を操り、最新研究成果を反映させた数々の企画盤で私たちを楽しませ続けているブリュノ・コクセが、十代の頃からの夢だったというベートーヴェンのソナタを録音しました。
フォルテピアノは、フィリップ・ヘレヴェッヘはじめ多くの古楽演奏家から篤い信頼を集め、コクセ率いるアンサンブル、レ・バッス・レユニでも鍵盤を担当するモード・グラットン。使用されたフォルテピアノは、第1番と第2番ではベートーヴェンが初めて手に入れたメーカーと考えられるシュタインの再現楽器、第3番では作曲家が最後まで所持していたとされるメーカー、ブロードウッドのオリジナルを使用。いずれも作曲年代にあわせた選択ということではないようですが、音色の違いを聴けるのは大きな楽しみです。
活き活きとしたコクセのチェロに、多彩な表現で知られるグラットンのピアノが絡み、両者とも楽器の限界に挑むかのような振幅の激しい表現を聴かせてくれるのが魅力で、第2番冒頭の強打と直後の弱音などでは、何ごとかと驚かされるほど。演奏に全く堅いところがなく、聴いていてどこかすっきりとした感覚を呼び起こすほどに自由で闊達、さらに古楽器ならではの個性的な響きがアクセントとなり、非常に気持ちの良いアルバムに仕上がっています。たくさんの巨匠たちが残してきたこれら傑作の名盤の系譜に、新たに連なる一枚といっても過言ではないでしょう。
(ナクソス・ジャパン)
[日本語解説付き]
国内仕様盤日本語解説…八木宏之
【曲目】
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827):
1-3. チェロ・ソナタ 第1番 ヘ長調 Op. 5-1
4-6. チェロ・ソナタ 第2番 ト短調 Op. 5-2
7-9. チェロ・ソナタ 第3番 イ長調 Op. 69
【演奏】
ブリュノ・コクセ(チェロ)
アントニオ・ストラディバリウス1726製作楽器(ロマン派様式に調整)による、シャルル・リシェ2019年製作の再現楽器
モード・グラットン(フォルテピアノ)
ウィーンのヨハン・アンドレアス・シュタイン18世紀後期製作楽器による、
ヘラルト・タインマン2012年製作の再現楽器…1-6
ジョン・ブロードウッド1822年製オリジナル楽器…7-9
【録音】
2020年11月23-27日 ヴィルファヴァール農園、リムーザン、フランス
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2022年05月11日 00:00