ユロフスキ&バイエルン国立管の初録音!ベートーヴェン:交響曲第2番&レット・ディーン:“テスタメント”
【バイエルン国立歌劇場自主レーベルBSOrec CD第2弾!】
「ベートーヴェンはこの交響曲において古典派時代のオーケストラが持っていた表現力を極限まで引き出している。それぞれの楽器に挑戦的な実験をしかけ、自らの運命に対する内なる闘争を音に託して描いているのだ」--ウラディミール・ユロフスキ(原盤解説より抄訳)
2021年にスタートしたバイエルン国立歌劇場の自主レーベルBSOrecから待望の第2弾CDが登場(第1弾はキリル・ペトレンコ指揮によるマーラー:交響曲第7番 品番:BSOREC0001)。2021/22シーズンから劇場の音楽総監督兼オーケストラの首席指揮者に就任したウラディーミル・ユロフスキとの初録音という点でも注目です。
バイエルン国立歌劇場は、新型コロナ感染症の拡大に伴い2020年3月からロックダウンされていましたが、ここに録音されている2020年10月のコンサートは劇場再開後、最初のアカデミー・コンサート(バイエルン国立管の定期演奏会)。演奏者にも聴衆にも特別な思いがあったことでしょう。
プログラム冒頭はブレット・ディーンのテスタメント(管弦楽版)で、この「テスタメント」とはベートーヴェンが書いた「ハイリゲンシュタットの遺書」のこと。ディーンは遺書の内容に加えてその筆跡や筆圧などに刺激を受け、湧き上がる創造力と苦悩とのせめぎ合いを思わせるエネルギーに満ちた音楽を作曲しました。随所にベートーヴェン作品(ラズモフスキー第1番など)が引用されています。オリジナルは12人のヴィオラ奏者のための作品でしたが、ここでは管弦楽用に編曲されたものが演奏されています。
ユロフスキが組み合わせたのは「ハイリゲンシュタットの遺書」と同時期に描かれた交響曲第2番。「遺書」の凄絶な内容に反して、苦悩の陰の薄い晴朗な音楽と見られがちな作品において、ユロフスキは極めて力強くダイナミックな解釈を繰り広げています。ユロフスキは早くからベートーヴェンに多面的に取り組んでおり、エイジ・オヴ・インライントゥンメント管との演奏ではピリオド楽器の奏法と発想を研究し、ベルリン放送響とはマーラー編曲版をとりあげています。ベートーヴェンのオーケストラ・スコアの持つ可能性について研究と実践を重ねてきたユロフスキらしい、細部まで精緻かつ力強くて激しい音楽となっています。
(ナクソス・ジャパン)
【曲目】
1. ブレット・ディーン(1961-): TESTAMENT テスタメント
- 管弦楽のための音楽(原曲: 12人のヴィオラ奏者のための音楽) 13:46
Presto nervoso, misterioso - Spacious, floating, suddenly peaceful - Slow, peaceful - Very still, suspended - Suddenly fast & ferocious - Tenuto, heavy, aggressive,vehement - Rhythmic, edgy, hefty - Brutal, violent, raw - Same tempo, but with sudden and unexpected innocence and lightness
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827): 交響曲第2番 ニ長調 Op. 36
2. 1. Adagio molto - Allegro con brio 12:05
3. 2. Larghetto 10:07
4. 3. Scherzo. Allegro - Trio 03:57
5. 4. Allegro molto 06:17
TTL 46:12
※ 演奏時間は原盤ブックレット記載のものです。
【演奏】
ウラディーミル・ユロフスキ(指揮)
バイエルン国立管弦楽団
【録音】
2020年10月5日&6日 ミュンヘン、バイエルン国立歌劇場
※ 国内盤には片桐卓也氏による日本語解説付き
カテゴリ : ニューリリース | タグ : BEETHOVEN 2020
掲載: 2022年06月09日 00:00