クーベリック&ニュー・フィルハーモニア管/ハイドン:交響曲第99番、チャイコフスキー:同第4番、シェーンベルク:ピアノ協奏曲(オグドン独奏)
正規初出音源!
ルツェルン・フェスティヴァル・シリーズ第18弾
クーベリック率いるニュー・フィルハーモニア管によるハイドンの交響曲第99番、チャイコフスキーの交響曲第4番、そしてジョン・オグドン独奏のシェーンベルクのピアノ協奏曲!
定評あるauditeレーベルの1stマスター・リリースのルツェルン・フェスティヴァル・シリーズ第18弾として、1968年9月の演奏会からクーベリックの正規初出音源が登場します!
クーベリックの同音楽祭初登場は1948年8月28日でした。この演奏会の数週間前、チェコの共産化に反対したクーベリックは同年エディンバラ音楽祭へ参加するために渡英、そのままイギリスに亡命しています。ルツェルン・フェスティヴァルにはその後1990年まで計25回出演し、同音楽祭には欠かすこの出来ない、また自身にとっても最も重要な音楽祭となりました。これまでバルトークのオペラ『青ひげ公の城』(1962年8月15日)(AU-95626)がCD化されています(クーベリックは1972年にスイス国籍を取得。1996年、ルツェルンにて死去しています)。
1968年に起こったチェコスロバキアの変革運動「プラハの春」の弾圧から数日後の9月8日、クーベリックはルツェルン・フェスティヴァルに登場。ニュー・フィルハーモニア管弦楽団との共演でハイドンの交響曲第99番、ジョン・オグドンをソリストに迎えたシェーンベルクのピアノ協奏曲、そしてチャイコフスキーの交響曲第4番を演奏しております。
ハイドンの交響曲第99番はクーベリックお得意の作品。終始快活さに満ちた演奏で幕開けを飾りました。
ジョン・オグドンが正規録音には残していないシェーンベルクのピアノ協奏曲。オグドンは厳格な十二音技法によって書かれているこの曲を正確に理解し、聴衆の心を掴むことに成功しており、クーベリックとの入念なリハーサルをうかがい知ることができます。
ブゾーニ国際コンクール(1960年)、ブダペスト国際ピアノ・コンクール(1961年)、チャイコフスキー国際コンクール(1962年)そのすべてで優勝しているオグドンが一躍世界的なピアニストとして活動を展開していた60年代。剛腕ピアニストでロマン派を得意としていましたが、実際は繊細で内面的な性格の音楽表現を好んでいたとのことで当時の現代作品も積極的に演奏していました。オグドン唯一の出演となった同音楽祭、しかもシェーンベルクの録音は貴重かつ価値のあるリリースといえます。
そして、チャイコフスキーの交響曲第4番!クーベリックが14歳の時、フルトヴェングラーの指揮する同曲を聴き、指揮者を志したというほどの思い入れのある作品で、シカゴ交響楽団(1951年録音)、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1960年録音)、バイエルン放送交響楽団(1969年)など多くの名演でも知られます。
「クーベリックはチャイコフスキーの交響曲をまるで精神の勝利、運命の力に対する自由の宣言のように唱えた」と同音楽祭閉幕演奏会ののち評論家がコメントしていたほどの力演。ルツェルンに居を構えたチェコの移民クーベリックは、ルービンシュタイン、メニューイン、ストラヴィンスキーらの賛同を得て、芸術の断絶を訴えただけでなく、「1968年8月21日以降のチェコスロバキア移民のための基金」への支援をルツェルンの市民に求めました。
チャイコフスキーの交響曲第4番の変化に富むテンポ、多彩な音色、そしてドラマティックな音楽づくりと、クレンペラーが育て上げた名門オケと驚くほどの熱量で盛り上げており、その演奏は人々を魅了し大反響を呼びました。
演奏の素晴らしさに加えてauditeレーベルの見事な復刻にも注目。同レーベル社主のルトガー・ベッケンホーフ氏が丁寧にリマスタリングしております。またブックレットには今回初めて掲載された音楽祭の写真も掲載。資料的価値はもちろんのこと、歴史的に見ても非常に重要な演奏会が正規初出音源でリリースされることは大歓迎と申せましょう。
(キングインターナショナル)
【曲目】
[CD1]
(1)ハイドン:交響曲第99番 変ホ長調 Hob. I:99
(2)シェーンベルク:ピアノ協奏曲 Op.42
[CD2]
(3)チャイコフスキー:交響曲第4番 ヘ短調 Op.36
【演奏】
(2)ジョン・オグドン(ピアノ)
ラファエル・クーベリック(指揮)
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
【録音】
ライヴ録音
1968年9月8日
クンストハウス(ルツェルン)
(モノラル)
エグゼクティヴ・プロデューサー&リマスタリング:
ルトガー・ベッケンホーフ
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2022年07月14日 00:00