矢沢永吉『P.M.9』|【日本のロック名盤】80年代
名曲「YES MY LOVE」収録。TOTO、ドゥービーブラザーズのメンバー率いてのLA録音で生まれた世界水準の名盤!
LAに移住して作り上げ全米でリリースされた前々作『YAZAWA』(81年)から始まった米西海岸ロックとの邂逅が結実した名盤!全キャリア中本作がNO.1アルバムという声が大きいのも頷ける出来で、世界基準で一流たるミュージシャンによる演奏力に支えられたAOR的洗練とハードなロックのダイナミズムをロックサウンド、つまりYAZAWA ROCKの王道スタイルを確立したエポック的名盤!さらにエポックなのは、この妥協なきハイクオリティアルバムが、日本でオリコンチャートNo.1のミリオンセラーとポピュラリティを獲得したこと。ロックが市民権を得てロック・ミュージシャンが長者番付にあがる新しい世界を切り拓いた永ちゃんの到達点として記念碑的作品といえます。レコーディングは、『YAZAWA』参加のジョン・マクフィー(ドゥービー・ブラザース)、マーク・ジョーダンに加え、スティーヴ・ルカサー&ジェフ・ポーカロ(TOTO)、ビル・ペイン(リトル・フィート)、アンドリュー・ゴールド、ニコレット・ラーソンら米西海岸ロックの重要人物が多数招集してロサンジェルスの名門サンセット・スタジオで録音。プロデュースは永ちゃん自身。海外録音でのアルバムセルフプロデュースは今作が初。(海外録音の前2作のプロデューサーは...『I LOVE YOU,OK』はトム・マック、『YAZAWA』はドゥービー・ブラザーズのボビー・ラカインドと、リトル・フィートのポール・バレア)楽曲は、当時、「時間よ止まれ」の系譜にあるリゾート感あるAORバラードの名曲⑧「YES MY LOVE」は永ちゃん出演コカ・コーラCMでも話題となりヒット。バラードでは同じくアダルトなムードの⑤「LAHAINA」も資生堂CM(こちらも永ちゃん出演)の人気曲。これら人気バラード2曲以外は実は硬派でドライ、70年代ロックの骨太なロックのムードと80年代のシャープさを兼ね備えておりリズムで聴き手をグイグイとひっぱっていくような聴きごたえは完全にLA産ロック。そこに、ちあき哲也(アルバム全曲ひとりの作詞家が手掛けたアルバムは本作が初)のマッチョな日本語詞が乗ることで生まれる乾きと濡れ感の不思議なバランスは唯一無比のハードボイルドな永ちゃんの歌世界!キャリア屈指の名盤!
タグ : [anoto] 日本のロック名盤 80年代
掲載: 2022年10月25日 18:04