Mr.Children『深海』|【日本のロック名盤】90年代
若きモンスターバンドが深海へダイヴした。虚像と実像が迷い込んだロック・アルバムはアルバム曲順通りに聴いてください。
前作『Atomic Heart』で頂点を極めたバンドは、ヒット曲を作ることによる生まれる、葛藤や苦悩を、深い海の底に眠る「シーラカンス」に例え、ラスト「深海」まで音楽シーンのアイコンとなったミスチルの虚像と実像が迷い込んだコンセプトアルバムを発表した。出会いから別れをドラマのように描く「ありふれたLove Story」,単純明快なラヴソングが傍で優しく寄り添ってくれる「Mirror」。「虜」での惹かれあう男女が昇天していく部分、現代でも通じていくような社会風刺「マシンガンをぶっ放せ」のダークさは、今作でしか表現できない独特の空気感に包み込まれる。「名もなき詩」、「花」の歌詞は等身大でいてくれて、いつ聴いても突き刺さる歌です。レコーディングの大半をニューヨークがビンテージ機材を使用したアナログレコーディング。
いつかこの、アナログ盤が聴きたい。
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掲載: 2022年10月26日 10:00