『激ロック』スペシャルコーナー【5月レコメンドアイテム】
CROWN THE EMPIRE / 『Dogma』
GENRE : METALCORE, POST HARDCORE
王道CROWN THE EMPIRE節が鳴る4年ぶり5作目のアルバム『Dogma』
10年以上活動を共にしてきた前ドラマー Brent Taddieの脱退と、後任 Jeeves Avalosの加入を経たCROWN THE EMPIREの約4年ぶりとなるアルバム。パンデミック中にそれぞれがバンドや自分自身に向き合った末に生まれた本作は、テーマとして脆さや孤独が据えられた、5作目にして最もパーソナルな1枚になったという。サウンドとしては、これまでの彼らの軌跡を追ってきた人ならきっと気に入るだろう、エモーショナルでラウドな王道CROWN THE EMPIRE節を鳴らしているほか、Courtney LaPlante(SPIRITBOX/Vo)をフィーチャーした「In Another Life」やRemington Leith(PALAYE ROYALE/Vo)を迎えた「Superstar」も収録されており、聴き応えは十分だ。
内堀 文佳【ライター推薦】
BUCKCHERRY / 『Vol. 10』
GENRE : HARD ROCK, POST-GRUNGE, SLEAZE ROCK
愚直なロック魂、ここに在り。アメリカを代表するロック・バンド
BUCKCHERRYが節目となる通算10枚目の最新作をリリース!
時代の移り変わりなどはどこ吹く風、ロックンロールの楽しさ、素晴らしさを体現し続けるアメリカを代表するロック・バンドのBUCKCHERRYが約2年ぶりに最新作『Vol. 10』をリリース。タイトルで高らかに宣言しているように、記念すべき通算10枚目のアルバムとなった本作には彼ららしいグラマラスでキャッチーなロック・ナンバーはもちろん、ストリングスやピアノが効果的に使われた痛切なエモーションが心を揺さぶるロック・バラード「Pain」やツイン・リードのハーモニーが新鮮な「With You」に、本人がDEF LEPPARDの「Hysteria」を意識したという「Feels Like Love」など、バラエティ豊かな楽曲がずらりと並び、10枚目という節目に相応しい出来栄えとなっている。ベテランらしい貫禄と、愚直なロックンローラーとしての矜持を見せる痛快な1枚だ。
井上 光一【ライター推薦】
ALL TIME LOW / 『Tell Me I'm Alive』
GENRE : POP PUNK
円熟したサウンドとフレッシュな魅力を併せ持つATLらしい
あと味スッキリの軽快なタッチでまとめ上げられた作品ドロップ!
円熟したサウンドとフレッシュな魅力を併せ持つ不思議なバンド、ALL TIME LOW。結成20周年を迎えリリースされた新作は、そんな彼ら独自のサウンドへのこだわりが見て取れる作品だ。ゲスト・ヴォーカル、Teddy SwimsをフィーチャーしたR&Bテイストのお洒落なナンバーもあれば、エモメロ全開の楽曲、爽やかなポップ・ロック、疾走感のあるパワフルなポップ・パンクまで、ATLらしいあと味スッキリの軽快なタッチでまとめ上げられている。表題曲の「Tell Me I'm Alive」が、ポップ・ミュージックとも境界のない抜群のキャッチーさに加え、まだまだ落ち着くには早いと言わんばかりのやんちゃなポップ・パンクのドタバタ感もあって、バンドの魅力が凝縮されているのも素晴らしい。
山本 真由【ライター推薦】
UNEARTH / 『The Wretched; The Ruinous』
GENRE : METALCORE
00年代メタルコアのオリジネイター UNEARTH
ヘヴィ且つドラマチックに深化した通算8枚目の最新作
2023年1月に行われた久々の来日公演が大盛況だったことも記憶に新しい、00年代メタルコアのオリジネイターであるUNEARTHの通算8枚目となる最新作。オリジナル・メンバーのKen Susi(Gt)の脱退、バンドの躍進を支えた2代目ドラマー Mike Justianが再加入というメンバーの交代劇もあったが、本作に込められた圧倒的なブルータリティと、ツイン・リードによる哀愁の旋律が絶妙なコントラストを生み出す楽曲群を前にすれば、彼らが今もシーンのトップを走り続けていることを誰もが理解できるはず。安直なクリーン・パートに逃げることもなく、不変のUNEARTH節はさらにヘヴィ且つドラマチックに深化、近年の彼らの作品の中でも特に素晴らしい傑作だと断言しよう。
井上 光一【ライター推薦】
INVENT ANIMATE / 『Heavener』
GENRE : PROGRESSIVE METALCORE
浮遊感とヘヴィネスの融合と緩急を得意とするテキサス発の4人組、INVENT ANIMATE
Marcus Vik(Vo)の持ち味がより生かされたニュー・アルバム
テキサス発の4人組 INVENT ANIMATEがニュー・アルバム『Heavener』をリリース。「Shade Astray」、「Without A Whisper」、「Elysium」を始め、彼らが得意とする浮遊感とヘヴィネスの融合と緩急が楽しめるのはもちろん、1曲を通して神秘的な空気感の表現に徹した「Reverie」から、彼らのダークでアグレッシヴな面が色濃くフィーチャーされた「Immolation Of Night」への流れも必聴だ。ヴォーカルにMarcus Vikを迎えてから2枚目のアルバムになるが、前作『Greyview』と比べてより彼の持ち味が生かされているように感じられるのも今作のポイントだろう。そのケミストリーが今後どのように発展していくのか期待したくなる1枚。
内堀 文佳【ライター推薦】
COVET / 『Catharsis』
GENRE : MATH ROCK
Steve Vaiが推す新世代のギター・ヒーロー Yvette Young率いるCOVET
様々な感情が押し寄せ、真っさらに浄化される心地よいニュー・アルバム到着!
Steve Vaiが新世代のギター・ヒーローとして推している技巧派ギタリスト Yvette Young率いるCOVET。そんな彼らのニュー・アルバムは、流れるように美しいタッピング奏法などテクニカルなギターも見逃せないが、哀愁を帯びたエモーショナルなメロディや、聴く者を飽きさせない変化に富んだリズムのバリエーションなど、聴きどころ満載の1枚だ。“Catharsis(カタルシス)”というタイトルの通り、ディストーションの効いたサウンドや複雑で変則的なリズムがざわざわとした気分にさせ、どこか丸みのあるリフが温かいサウンドの波となって押し寄せるなど、様々な感情がとめどなく押し寄せ、最終的には真っさらに浄化されるような心地よさがある。疲れている人にこそおすすめしたい作品。
山本 真由【ライター推薦】
DREAM THEATER / 『Lost Not Forgotten Archives: When Dream And Day Unite Demos (1987-1989)』
GENRE : PROGRESSIVE METAL
まだ世に知られる前のDREAM THEATERの原石のような才能収めた
デビュー・アルバム『When Dream And Day Unite』デモ+身内向けギフト音源集
プログレッシヴ・メタルの現在進行形の伝説、DREAM THEATER。2021年より定期的にリリースされている“忘るまじ喪失音源集”と名付けられた彼らの公式ブートレグ・シリーズの第20弾は、記念すべきデビュー・アルバム『When Dream And Day Unite』(1989年)のデモ音源集だ。楽曲のインストゥルメンタル・バージョンやヴォーカルの入ったプリプロダクション、さらには身内に向けたギフト音源収録の2枚組で、コアなファン向けの内容ではあるものの、前任ヴォーカリストであるCharlie Dominiciによるレアな歌唱や、のちに音楽シーンにその名を轟かせるメンバーたちがまだ世に知られる前の原石のような才能は、音楽史における貴重な記録であろう。
井上 光一【ライター推薦】
【激ロック】
ラウドミュージックに特化したフリーマガジン、ポータルサイトの運営、そして国内外のバンドを招聘してのライブイベント、13年間続くROCK DJパーティーの企画、運営を行っている。さらには渋谷宇田川町に位置する「Music Bar ROCKAHOLIC」と同じく宇田川町にあるロックファッション・ショップ&通販サイト「GEKIROCK CLOTHING」の運営など、クロスメディアを超えたクロスカルチャー展開をシーンに仕掛けるラウドミュージック専門のクリエイティブ集団である。
タグ : PUNK/EMO ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM)
掲載: 2023年05月19日 10:07