Brilliant Classics『スメタナ・コレクション』(8枚組)
スメタナの代表作を手軽に楽しめる8枚組セット。管弦楽作品、弦楽四重奏曲、ピアノ三重奏曲、ピアノ曲、そしてオペラ「売られた花嫁」の全曲録音という内容です。オーストリア帝国時代のチェコに生きたスメタナは、熱烈な愛国者ながらドイツ語話者として長く暮らし、チェコ語を流暢に話せるようになったのはやっと40歳の時で、その頃書かれたオペラ「売られた花嫁」のドイツ語版が人気があったりするのも語感と音楽が合っているからかもしれません。このセットではスイトナー&ドレスデン国立歌劇場の名演を収録しています。
(日本出版貿易)
【収録内容】
ベドジフ・スメタナ(1824-1884):
[CD1] 73'15
連作交響詩「わが祖国」
1. 高い城(ヴィシェフラド) 14'51
2. モルダウ(ヴルタヴァ) 11'33
3. シャールカ 9'34
4. ボヘミアの森と草原から 12'21
5. ターボル 11'32
6. ブラニーク 12'56
ヤナーチェク・フィルハーモニー管弦楽団
テオドレ・クチャル(指揮)
録音:2007年、チェコ、オストラヴァ、コンサート・ホール
[CD2] 77'14
1. 交響詩『ヴァレンシュタインの陣営』 Op.14 14'51
2. 交響詩『ハーコン・ヤール』 Op.16 16'46
3. 交響詩『リチャード3世』 Op.11 13'05
4. 歌劇「売られた花嫁」~序曲 6'29
5. 歌劇『売られた花嫁」~ポルカ 5'02
6. 歌劇『売られた花嫁」~フリアント 2'27
7. 歌劇『売られた花嫁」~スコチナー(道化師の踊り) 5'16
8. 序曲『ファウスト博士』 4'20
9. ポルカ 『田舎の少女』 4'07
10. ポルカ 『われらの乙女たちに』 4'26
ヤナーチェク・フィルハーモニー管弦楽団
テオドレ・クチャル(指揮)
録音:2007年、チェコ、オストラヴァ、コンサート・ホール
[CD3] 75'40
『勝利の交響曲(祝典交響曲)』ホ長調 Op.6 45'31
1. アレグロ・ヴィヴァーチェ 11'13
2. ラルゴ・マエストーソ 11'04
3. スケルツォ、アレグロ・ヴィヴァーチェ 11'38
4. フィナーレ、アレグロ・ノン・トロッポ・マ・エネルジーコ 11'36
5. 『祝典前奏曲』 ハ長調 2'58
6. 『祝典序曲』 ニ長調 Op.4 8'59
7. 『プラハの謝肉祭』序奏とポロネーズ 6'21
8. 『国民軍行進曲』 4'50
9. 『シェイクスピア祭のための祝典行進曲』ホ長調 Op.20 6'31
ヤナーチェク・フィルハーモニー管弦楽団
テオドレ・クチャル(指揮)
録音:2007年、チェコ、オストラヴァ、コンサート・ホール
[CD4] 78'25
弦楽四重奏曲第1番ホ短調 JB1:105「わが生涯より」
1. I. アレグロ・ヴィーヴォ・アパッショナート 8'15
2. II. アレグロ・モデラート・ア・ラ・ポルカ 6'01
3. III. ラルゴ・ソステヌート 9'30
4. IV. ヴィヴァーチェ 6'30
弦楽四重奏曲第2番ニ短調 JB1:124
5. I. アレグロ 5'08
6. II. アレグロ・モデラート 6'05
7. III. アレグロ・ノン・ピウ・モデラート 5'02
8. IV. フィナーレ.プレスト 2'54
シュターミッツ四重奏団
第1ヴァイオリン:ボフスラフ・マトウシェク
第2ヴァイオリン:ヨセフ・ケクラ
ヴィオラ:ヤン・ペルーシュカ
チェロ:ヴラディーミル・レイクスネル
録音:1990年10月、プラハ(BAYERライセンス音源)
ピアノ三重奏曲ト短調 Op.15
9. I. モデラート・アッサイ 11'40
10. II. アレグロ、マ・ノン・アジタート 8'08
11. III. フィナーレ. プレスト 9'03
ヨアヒム・トリオ
録音:1995年3月27-29日、イギリス、ハンプシャー州、イーストウッドヘイ、セント・マーティン教会(NAXOSライセンス音源)
[CD5] 76'21
1. アンダンテ 変ホ長調 [1852] 3'02
2. 束の間の想い [1845] 4'10
6つのアルバムの綴り Op.2 [1848]
3. プレリュード:アレグロ 1'02
4. シャンソン:モデラート 1'53
5. ヴィヴァーチェ 1'17
6. アレグロ・コモド、センプレ・マルカート 3'25
7. モデラート・コン・アニマ 1'53
8. アンダンテ・マ・ノン・トロッポ 2'49
3つのアルバムの綴り Op.3 [1856]
9. ロベルト・シューマンに 3'36
10. 旅人の歌 2'08
11. 波立ち、わき返り、ざわめき、鳴り 1'40
スケッチ集 第1集 Op.4 [1856]
12. 前奏曲 1'49
13. 牧歌 2'52
14. 思い出 3'19
15. 根気のいい努力 3'39
スケッチ集 第2集 Op.5 [1856]
16. スケルツォ・ポルカ 3'06
17. 憂鬱 2'31
18. なつかしい風景 2'39
19. 狂詩曲 4'58
アルバムの綴り
20. アレグレット・マ・ノン・トロッポ 変ロ長調 [1849] 1'40
21. アレグロ・カプリッチョーゾ ロ短調 [1847] 1'07
22. トッカティーナ ロ長調 [1854] 1'50
23. アルバムの綴り ト長調 [?] 2'15
24. アルバムの綴り 変ホ短調 [?] 3'51
25. コン・モート 変ロ短調 [1852] 1'20
26. カテリーナ・コラロヴァのために [1844] 2'19
27. エリーザベト・F・トゥーンのために [?] 1'00
28. ヨゼフィーネ・フィンケのために - Agitato [1845] 1'12
29. ヤン・クンツのために [1845] 1'16
30. ヴァーツラフ・ウルヴェルのために [?] 1'51
31. マリー・プロクシュのために [1862] 0'56
32. アルバムの綴りアンダンテ ヘ短調 [1880] 1'06
33. ロマンス ト短調 [1882] 2'25
ロベルト・プラーノ(ピアノ)
録音:2013年3月1-3日、ミラノ、ベルナレッジョ、バルトーク・スタジオ
[CD6] 58'22
チェコ舞曲集第1集 [1877]
1. ポルカ 嬰ヘ短調 4'08
2. ポルカ イ短調 2'56
3. ポルカ ヘ長調 4'01
4. ポルカ 変ロ長調 3'22
チェコ舞曲集第2集 [1879]
5. フリアント 5'37
6. スレピチカ(めんどりの踊り) 3'16
7. オヴェス(燕麦の踊り) 5'44
8. メドヴィエト(熊の踊り) 3'35
9. ツィブリチカ(タマネギの踊り) 5'01
10. ドゥパーク(足踏み舞曲) 4'03
11. フラーン(槍騎兵の踊り) 4'56
12. オブクロチャーク(跨り舞曲) 3'10
13. ソウセツカー(隣人の踊り) 4'45
14. スコチナー(跳躍舞曲) 3'43
アントニン・クバレク(ピアノ)
録音:1988年12月、ニューヨーク州、トロイ、トロイ貯蓄銀行ミュージック・ホール(Dorianライセンス音源)
[CD7] 66'42
歌劇「売られた花嫁」(ドイツ語版)全曲 [1866]
1. 序曲 6'28
第1幕 第1場
2. どうして喜ばないでいられよう 4'47
3. 親愛なる心よ、言ってください 3'31
第1幕 第2場
4. こんなに踊ってはいられない 1'16
5. 喜んであなたを信じます 4'21
6. 家から離れた理由を教えてください 0'41
7. 母親と一緒に墓場に沈む 2'38
8. 今、欲望と悲しみの中で 4'01
第1幕 第3場
9. 何事も右へならえ 5'17
10. もちろん! トビアス・ミーハ 0'45
11. 彼は喜んで私と一緒に来てくれただろう 4'11
第1幕 第4場
12. ほら、彼女がやって来る 4'55
13. ハンスと私は結ばれている! 1'39
第1幕 第5場
14. ポルカ 4'36
第2幕 第1場
15. ビールは天からの授かり物 5'02
16. フリアント 2'07
第2幕 第2場
17. 親愛なる息子よ、母は言った 2'29
第2幕 第3場
18. あなたは花婿ではないのか 1'13
19. この村の1人の娘さんを知っている 6'33
[CD8] 70'55
第2幕 第4場
1 おいで、私の小さな息子 2'26
2. 愛に燃える人 5'46
3. 愚かな恋愛をあきらめる 3'12
4. 哀れな愚か者 0'52
第2幕 第5場
5. 成功しなければならない 3'11
第2幕 第6場
6. 熱くなりすぎないで 3'58
第3幕 第1場
7. ああ、私の悲しみときたら! 3'34
第3幕 第2場
8. 喜劇役者たちの行進 2'51
9. 喜劇役者たちの踊りと出し物 4'47
10. 卵、卵、なんて素敵なんだろう! 2'21
11. ねえ、私の愛する人 1'58
12. すべてが時計仕掛けのように進む 1'04
第3幕 第3場
13. ああ、どうしよう 0'56
14. 雷鳴のような衝撃だ 2'34
第3幕 第4場
15. ダメだ!いやだ! 1'38
16. 私はこんな不名誉に値するのだろうか 2'27
第3幕 第5場
17. ねえ、ヴェンツェル 1'18
18. もうちょっとだけ、マリー 3'32
第3幕 第6場
19. ついに1人になった 1'27
20. 愛の夢は美しかった 4'45
第3幕 第7場
21. そうやって君を見つけるんだ 2:00
22. ハ、ハ、ハ! 0'27
23. 愛する人よ、気をつけろ! 1'53
第3幕 第8場
24. おい、ハンス!金が欲しいか? 1'05
25. 愛する者、また信頼する者は幸いである 3'49
第3幕 第9場
26. 喜んで来る、すぐに来る 1'06
27. 何が見えるか 1'51
28. 誰が考えたんだろう 1'20
第3幕 第10場
29. クマが逃げたぞ! 1'34
30. その通り、みんな幸せです 0'57
マリー(チェコ語版ではマジェンカ):アニー・シュレム(ソプラノ)
マリーの恋人ハンス(大地主の前妻の息子、チェコ語版ではイェニーク):ロルフ・アプレック(テノール)
マリーの父、クルシナ:ギュンター・ライプ(バリトン)
マリーの母、カティンカ(チェコ語版ではルドミラ):アンネリース・ブルマイスター(アルト)
結婚仲介人、ケツァル:テオ・アダム(バス)
大地主、ミーハ:フレート・テシュラー(バス)
大地主の妻、アグネス(チェコ語版ではハータ):ルート・ラング(アルト)
大地主の息子、ヴェンツェル(チェコ語版ではヴァシェク):ハラルト・ノイキルヒ(テノール)
旅芸人一座の座長、シュプリンガー:ヨハネス・ケムター(テノール)
旅芸人一座の踊り子、エスメラルダ:エレオノーレ・エルスターマン(ソプラノ)
旅芸人一座の喜劇役者、ムフ:ヴィルフリート・シャール(バリトン)
ドレスデン国立歌劇場合唱団
ゲルハルト・ヴュストナー(合唱指揮)
シュターツカペレ・ドレスデン
オトマール・スイトナー(指揮)
録音:1962年、ドレスデン、ルカ教会
【作品について】
CD1
連作交響詩「わが祖国」
1874~1879年作曲。6曲から成る連作句交響詩。
第1曲「高い城(ヴィシェフラド)」
プラハの南、モルダウ河のほとりの崖の上に建つヴィシェフラド城は、10世紀後半に建設された中世ボヘミア王国の城で、そこではかつて伝説の吟遊詩人ルミールが、英雄や愛について歌っていました。曲頭のハープの動機は、この吟遊詩人ルミールのハープを表したもので、以後、「わが祖国」全体を通じて変形使用されることとなり、この連作交響詩が、あたかも吟遊詩人によって歌われたボヘミアの物語であるといった様相を呈しています。
第2曲「モルダウ(ヴルタヴァ)」
人気作で単独で演奏される機会の非常に多い作品でもあります。内容的には、チェコの中央部を流れる大河モルダウとその周辺の景観を描写したもので、変化に富む水の流れと、民族舞曲や月夜の水の精、聖ヨハネの急流などが描かれており、最後には循環動機でもある「高い城」の主題をモルダウの主題にかぶせて輝かしく終わります。。
第3曲「シャールカ」
恋人の裏切りから、なぜか全男性への復しゅうを誓ってしまった女傑シャールカ率いる女性の軍隊と、男性の軍隊との戦いを描いた作品で、同じ題材のヤナーチェクのオペラも有名です。シャールカ討伐に向かったツティラートが、色香と酒によって簡単に負かされてしまうといったストーリーが、スメタナの音楽では最後の勇猛果敢な音楽に象徴されるようにきわめてシリアスなものとして描かれています。
第4曲「ボヘミアの牧場と森から」
きらきらと輝く陽光を受けた緑の平原、収穫祭を思わせる農民たちの楽しげな踊り、森にそよぐ風や小鳥たちのさえずりがあるときは陽気に、あるときは淋しげに描かれる「モルダウ」に次ぐ人気作。
第5曲「ターボル」
免罪符販売を非難したことによってローマ法王から破門され、やがて虐殺されることになるチェコの宗教改革運動家、ヤン・フスの衣鉢を継いだ急進的グループ「ターボル派」を中心に巻き起こったフス戦争を描いた作品。スメタナはフス教徒たちの信条を民族主義の旗印として捉え、主題に彼らの賛美歌(コラール)を用いることで、チェコの歴史上、最大の民族的盛り上がりを見せた出来事を叙事詩的壮大さをもってダイナミックに描き上げています。
第6曲「ブラニーク」
前曲からつながっているこの作品は、ボヘミアのブラニーク山に眠る救国の騎士たちの伝説を描いており、主要主題には第5曲のターボルの主題が用いられて、チェコの危機を救う英雄の存在を強く印象付けます。
実際の戦争では、十字軍のたび重なる侵攻を撃破しながらも、結局は内部分裂によって敗戦を迎えることになる彼らの戦いぶりを考えると、スメタナの描写は少々理想主義的美化が過ぎるようにも思えてきますが、この曲集が、吟遊詩人ルミールによって語られるチェコについての幻想的な物語である点、「ターボル」と異なり、フス教徒ではなく伝説上の存在である騎士たちに戦いがシフトしている点を考慮すれば、スメタナの設定は当を得たものと言えるのではないでしょうか。
CD2
交響詩「ヴァレンシュタインの陣営」Op.14
1859年完成。スメタナは1856年から1861年までスウェーデンのイェーテボリで同地のフィルハーモニー協会の指揮者として暮らしており、交響詩を3曲書いていますが、この作品はそのひとつ。シラーの「ヴァレンシュタインの陣営」の序曲として作曲。三十年戦争の際の皇帝軍の指揮官ヴァレンシュタイン公[1583-1634]の反逆と没落を描いた三部作「ヴァレンシュタイン」の第1部「ヴァレンシュタインの陣営」の音楽。兵士たちの間で絶大な信望を得ているボヘミアの貴族ヴァレンシュタインを描いた勇ましい音楽。
交響詩「ハーコン・ヤール」Op.16
1861年完成。イェーテボリ時代の作品。中世ノルウェーのハーコン大公[935-995]を描いた勇猛な音楽。
交響詩「リチャード3世」Op.11
1858年完成。イェーテボリ時代の作品。1857年にフランツ・リストを訪ねたスメタナはリストから多くのことを学び、翌年にこの作品を完成。リチャード3世はチェロで描かれ、薔薇戦争などの障害を乗り越えた後の勝利と没落。曲の最後の3分間、恐ろしい悪夢がリチャード3世を苦しめるさまが劇的に描写。シンバルが激しく鳴り響いて弦楽器がトレモロを奏で、最後にチェロが悲劇的に締めくくります。
歌劇「売られた花嫁」(抜粋)
1866年完成。序曲、ポルカ、フリアント、スコチナー(道化師の踊り)を収録。楽しい音楽が続きます。他
【演奏者について】
CD1-3
<テオドレ・クチャル(指揮)>
1960年5月30日、ニューヨークに生まれたクチャル(クーチャー)は、自宅ではウクライナ語を喋るウクライナ移民の音楽家ファミリーに育ちました。10歳からヴァイオリンを始め、のちにヴィオラに転向、クリーヴランド音楽院で、クリーヴランド管弦楽団首席ヴィオラ奏者でもあるロバート・ヴァーノン[1949-]に師事。
その後、ボストン交響楽団の『ポール・フロム・フェローシップ』を受賞し、タングルウッド・ミュージック・センターで指揮などを学んだりしたのち、1982年にクリーヴランド音楽院を卒業、プロの音楽家としての仕事は、クリーヴランドやヘルシンキ、ケープタウンのオーケストラのヴァイオリン奏者、ヴィオラ奏者というものでした。
その後、各地での経験を経て、1987年、27歳のときにオーストラリア東端のブリスベンのオーケストラ、クイーンズランド・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督に就任。同時に、オーストラリア西端のパースのバレエ団『ウエスト・オーストラリア・バレエ』の音楽監督にも就いていますが、その距離は直線で約3,600キロも離れていました。また、1990年からは、オーストラリア室内楽フェスティヴァルの音楽監督にも就任。開催地のタウンズヴィルは、ブリスベンの北西約1,300キロのところにある港町でした。
1992年になると、ウクライナ国立交響楽団の首席客演指揮者となって評判となり、1994年には音楽監督に就任しています。このオーケストラとの関係は非常に良好で、数多くのコンサートのほか、ナクソス・レーベルへのレコーディングも開始。未知の曲、現代ものにも積極的に取り組んでいきます。
1996年には、コロラド州のボルダー・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督も兼務し、コロラド大学音楽大学の教授にも就任。
1999年にウクライナ国立交響楽団の音楽監督を退任後は、アメリカに軸足を移し、2002年にカリフォルニア州のフレズノ・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督に就任。2003年には、ネヴァダ州のリノ・チェンバー・オーケストラの音楽監督に就任。さらに音楽祭の監督などを兼務したのち、ベルリン交響楽団と3週間のツアーも実施。
2005年には再びヨーロッパに軸足を移し、チェコのヤナーチェク・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に就任。前年からブリリアント・クラシックスへのレコーディングも開始しています。
2011年には、ベネズエラ交響楽団の芸術監督に就任して南米でも活躍を開始、2013年には、チェコの隣、スロヴァキア・シンフォニエッタの首席指揮者にも就任しています。
2017年には、ウクライナ国立交響楽団と北米ツアーを実施、44回のコンサートをおこなって成果を上げ、2021年のシーズンにも北米ツアーをおこなう契約をコロンビア・アーティスツ・マネジメントと結んでいました。
<ヤナーチェク・フィルハーモニー管弦楽団>
1929年、チェコのオストラヴァに設立された放送オーケストラが前身。1954年、オストラヴァ交響楽団として正式に設立され、1962年、オストラヴァ国立フィルハーモニー管弦楽団に改名し、1971年、ヤナーチェク・フィルハーモニー・オストラヴァに改名。非常に迫力のある音を鳴らせるオーケストラで、スメタナの音楽との相性も最高です。
CD4
<シュターミッツ四重奏団>
第1ヴァイオリン:ボフスラフ・マトウシェク
第2ヴァイオリン:ヨセフ・ケクラ
ヴィオラ:ヤン・ペルーシュカ
チェロ:ヴラディーミル・レイクスネル
1985年、スニーティラ門下のソリスト、ボフスラフ・マトウシェクを第1ヴァイオリンに、同門の後輩、ヨセフ・ケクラを第2ヴァイオリンに、プラハ音楽院出身のヤン・ペルーシュカをヴィオラに、同じくプラハ音楽院出身のヴラディーミル・レイクスネルをチェロに結成。
第1ヴァイオリンのマトウシェク[1949-]は、1970年のティボール・ヴァルガ・コンクールでの特別賞受賞、1972年のプラハの春国際ヴァイオリン・コンクールでの優勝により、ソリストとしてキャリアをスタートしていますが、1977年から1980年にかけて、読売日本交響楽団ソリスト兼コンサートマスターとして活躍していたので、ご記憶の方もいらっしゃることでしょう。チェコに戻って再びソリストとしての活動を開始するマトウシェクですが、5年後には、新たに結成されるシュターミッツ四重奏団のリーダーとして、同四重奏団のレベルを国際的なものとすることに成功し、1995年までの10年間に渡って同四重奏団に在籍しました。
同四重奏団退団後は、ソリストとして、また、ドヴォルザーク・ピアノ・トリオのメンバーとして活躍しており、ソリストとしてのレコーディングはすでに24点を数えます。
なお、マトウシェク退団後の第1ヴァイオリンは、まずチェルノフが、次いでパズデラが引き継いで現在に至っています。
CD5
<ロベルト・プラーノ(ピアノ)>
1978年8月1日、ミラノ近郊のヴァレーゼで誕生。2001年、クリーヴランド国際ピアノ・コンクール優勝したほか、仙台国際音楽コンクール、ホーネンス国際ピアノ・コンクール、バレンシア国際ピアノ・コンクール、ゲザ・アンダ国際コンクールなどで入賞。
ソロと室内楽の両方で活動し、欧米各国や日本などで演奏。2016年からはボストン大学の教授となり、2018年からはインディアナ大学ジェイコブス音楽院でも教えています。
CDは、Brilliant Classics、DECCA、Azica、Amadeus、Arktos、Concerto Classics、Van Cliburn Foundation、Da Vinci Classicsなどから発売。
カテゴリ : ニューリリース | タグ : ボックスセット(クラシック)
掲載: 2023年05月25日 00:00