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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.233

ジョー・パス『シンプリシティ』(1967)

JP

ジョー・パス(g)
ヘイグッド・ハーディ(vib)
ジュリアン・リー(p,org.)
ボブ・ウィットロック(b)
コリン・ベイリー(ds)

1967年、ロサンジェルスにて録音

曲目:
01.ユー・アンド・ミー
02.ティズ・オータム
03.ルチアナ
04.アイ・ハッド・ザ・クレージスト・ドリーム
05.ノーバディ・エルス・バット・ミー
06.シンプリシティ
07.ザ・サンズ・オブ・タイム
08.サムタイム・アゴー
09.ザ・ジェントル・レイン
10.フー・キャン・アイ・ターン・トゥ
11.ホエア・ワズ・アイ

【アルバム紹介】
1.技巧派のギタリストとして名を馳せたジョー・パス
2.シンプルなシングル・トーンでのプレイに終始した究極のリラクシング・ボッサ・アルバム
3.ヴィブラフォンやオルガンの入った60年代フレイヴァー漂う演奏

今回ご紹介するのは技巧派のギタリストとして名を馳せたジョー・パスの究極のリラクシング・ボッサ・アルバムです。

ジョー・パスといえば、代表作である、ソロ・ジャズ・ギター・アルバム『ヴァ―チュオーゾ』での超絶技巧的なプレイを思い浮かべますが、本作はその対極にある一枚で、アルバム・タイトルの通り、極めてシンプルなシングル・トーンでのプレイに終始しています。

楽曲はアルバムの半数近くがボッサ系のナンバーで占められ、加えて、スタンダード曲、自身のオリジナル曲などで構成。
参加ミュージシャンはヴィブラフォンのヘイグッド・ハーディは主にイージーリスニング系のセッションに多く参加しているカナダのミュージシャンで、ピアノとオルガンのジュリアン・リー、ベースのボブ・ウィットロック、ドラムスのコリン・ベイリーは西海岸の音楽シーンで活躍した面々です。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
60年代の香り漂うボッサ・チューン“ユー・アンド・ミー”。

本作の1曲目であり、快適度100%のボッサ・ビートによるこの曲を聴いてみましょう。 楽曲はヴィニシウス・ヂ・モライスが作詞、カルロス・リラの作曲で、1961年にカルロス本人の歌唱で発表されたもので、多くのブラジリアン・カヴァーを生んでいるナンバーです。
ここではまずオルガンによる軽快なフレーズの短いイントロが入り、主旋律のテーマ・メロディーをギターとヴィブラフォンがユニゾンで提示してゆきます。やがて、ギターのソロに移りますが、滑らかなフレーズで彩り、極めてシンプルな解釈を聴かせます。オルガン、ギター、ヴィブラフォンが織りなすサウンドは60年代の空気感がいっぱい漂ってくる演奏になっています。
この他、アルバムに収録されている曲はほとんどの曲が2分台~3分台のものばかりで、かけ流しながらゆったり、リラックスした気分で聴くライトなボッサ・アルバムと言えます。ジョー・パスのアルバムとしてはかなり異色な逸品ですが、こんな演奏も悪くないですね。

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タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2023年06月23日 10:00