Naxos~2023年8月第2回発売新譜情報(4タイトル)
今回はギリシャ人の母を持つヴァイオリニスト、ノエ・乾が参加する20世紀ギリシャの管弦楽作品集に、アルベニスのピアノ作品集第9集、《トゥーランドット》の補筆で知られるアルファーノの弦楽四重奏曲全集、アルゼンチンの作曲家アルベルト・ウィリアムスのヴァイオリン・ソナタ集の世界初録音を含むCD4タイトルがリリースされます。
『トポス』~20世紀ギリシャの管弦楽作品集
ゾイ・ツォカン(指揮)テッサロニキ州立交響楽団、ノエ・乾(ヴァイオリン)
20世紀ギリシャの作曲家による管弦楽作品集。アルバムは、フランス印象派からの影響が感じられるミカエリデスの「パルテノン神殿の夜明け」で幕を開け、リムスキー=コルサコフを思わせる官能的な響きが特徴のカロミリスの「島の絵」が続きます。地中海の夜明けを思わせる伸びやかな第1曲から祝祭的な雰囲気の民族舞踏を描いた第3楽章まで、卓越したヴァイオリンを披露するのはギリシャ人の母を持つノエ・乾です。コンスタンティニディスの2つの組曲は独特な音階とリズムが特徴。スカルコッタスの「5つのギリシャ舞曲」は、様々な楽器編成のための「36のギリシャ舞曲」から作曲家が5曲を選んで弦楽四重奏にしたものを、ドイツ生まれの指揮者・作曲家ワルター・ゲールがコントラバス・パートを加えて弦楽合奏にしたもの。バルトークの「ルーマニア民俗舞曲」のギリシャ版といった感じの楽しく躍動感ある音楽で、本物の民謡に加えてスカルコッタスが民謡に似せて創った素材を使っていて遊び心が感じられます。
(ナクソス・ジャパン)
一部世界初録音
イサーク・アルベニス(1860-1909):ピアノ作品集 第9集
ミゲル・アンヘル・R・ライス(ピアノ)
スペインのピアニスト、ギレルモ・ゴンザレスが「アルベニス:ピアノ作品全曲録音」という野心的なプロジェクトを開始したのは今から25年ほど前のこと。これまでに計8集のアルバムがリリースされましたが、これらは全てゴンザレスと彼の弟子たちによって録音が行われたものです。
シリーズの集大成となるこの第9集にはアルベニスの創作における変遷を感じさせる作品と、彼がスペイン民俗音楽からインスピレーションを受け書き上げた作品を収録。冒頭の「スペイン狂詩曲」はアルベニス自身がピアノとオーケストラのための作品を2台ピアノ版に編曲したものですが、続く5つの作品はこの録音のために特別に2台ピアノのためにアレンジされた版が用いられています。落ち着いた雰囲気の「子守歌」は最近発見された小品。そしてシリーズを締めくくるのはアルベニスの代表作の一つ「スペインの歌」。鮮やかで刺激的なリズム漲る作品をお楽しみください。
(ナクソス・ジャパン)
世界初録音
フランコ・アルファーノ(1875-1954):弦楽四重奏曲全集
エルミラ・ダルヴァローヴァ(ヴァイオリン)、メアリー・アン・マム(ヴァイオリン)、クレイグ・マム(ヴィオラ)、サミュエル・マギル(チェロ)
ナポリの作曲家フランコ・アルファーノ。20代でドイツに留学、ライプツィヒ音楽院でザロモン・ヤーダスゾーンに師事しました。もっぱら歌劇の作曲家であり、自作の他にはプッチーニの《トゥーランドット》の補筆完成版で知られています。このアルバムには、世界初録音となる3曲の弦楽四重奏曲を収録。第一次世界大戦中に書かれた第1番は“ニ長調”とされているものの調性感は希薄であり、冒頭から無調に近いながらも推進力ある音楽が繰り広げられます。チェロの独奏が美しい第2楽章が続き、劇的な終楽章でクライマックスを迎えます。第2番は「3つの繋がった楽章による」と記された作品。重々しい第1楽章にはじまり、第2楽章では親しみやすい旋律が顔を見せ、荒々しい終楽章へと続きます。第3番は、彼の妻の死の翌年1944年に作曲を開始、1945年に完成しました。第1楽章の悲痛な旋律は妻への想いが込められています。軽快な第2楽章が続き、最終楽章では古代ローマを思わせる祝典行進曲が用いられ、曲は盛り上がりを見せて終わります。
(ナクソス・ジャパン)
アルベルト・ウィリアムス(1862-1952):ヴァイオリン・ソナタ第2番、第3番
デュオAM[アレハンドロ・アルダーナ(ヴァイオリン)、ファビオ・マルティーノ(ピアノ)]
アルゼンチン、ブエノスアイレス生まれの作曲家アルベルト・ウィリアムス。幼い頃からピアノの演奏に長けており、7歳の時に演奏会を開いたという記録もあります。地元の学校で音楽を学んだ後、奨学金を得て1880年代にはフランスに留学。セザール・フランクに師事するとともに、当時流行していたワーグナーの音楽に傾倒し、これらに影響を受けた作品を書きました。彼のヴァイオリン・ソナタ第2番は、確かにフランク風であるとともに、ブラームスのヴァイオリン・ソナタを思わせる抒情性も持ち合わせています。その翌年に作曲された第3番は、シンコペーションのリズムで始まる野心作。ピアノとヴァイオリンが対等に扱われ、まるで協奏曲を思わせるかのような対立を感じさせるほどにピアノ・パートが重要な働きを見せます。まるでシューベルトのような軽やかな第2楽章も魅力的。3拍子で書かれた第3楽章は、全音階的な和声進行と目まぐるしく変化する楽想が特徴。最後は転調を繰り返し、ピアノのオクターヴの連打で曲を閉じます。
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カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2023年07月18日 00:00