WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.246
ローレンス・マラブル『テナーマン』(1956)
ローレンス・マラブル(ds)
ジェームス・クレイ(ts)
ソニー・クラーク(p)
ジミー・ボンド(b)
1956年8月、ロサンジェルスにて録音
曲目:
01.絶体絶命
02.イージー・リヴィング
03.マイナー・ミーティング
04.エアータイト
05.ウィロー・ウィープ・フォー・ミー
06.スリー・フィンガーズ・ノース
07.ラヴァー・マン
08.マーブルズ
【アルバム紹介】
1.幻のテナーマン、ジェームス・クレイをフィーチャーしたローレンス・マラブルの唯一のリーダー作
2.ジェームス・クレイはこの時20歳、どこか貫禄のあるプレイで魅了
3.参加メンバーで目を引くのはピアノが名手ソニー・クラーク
テナー・サックス奏者が活躍する隠れ名盤、今回はジャズ・ウェスト・レーベルに残された、ウェスト・コースト・ジャズ・シーンの名ドラマー、ローレンス・マラブルの唯一のリーダー作を取り上げます。
本作はワン・ホーン・カルテットでのセッションですが、テナー・サックスを吹いているのが幻のテナーマン、ジェームス・クレイです。
ジェームス・クレイは1935年テキサス生まれのテナー・サックス奏者で、1955年にカリフォルニアに移住し、そこで数々のセッションに参加して腕を上げました。本作のレコーディングの時はまだ20歳という若さですが、どこか貫禄のあるプレイで魅了しています。
参加メンバーで目を引くのはピアノが名手ソニー・クラークであることでしょう。楽曲はスタンダード曲を含み、クラークによるオリジナル曲(3、6、8曲目)などで構成されています。
【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
スマートなスイング・ビートで聴かせるスタンダード“絶体絶命”。
この曲は、名作曲家ハロルド・ア―レンが書いた1930年代のヒット・ソングで最初にレコーディングしたのはキャブ・キャロウェイで、以降数多くのミュージシャンの歌唱・演奏で知られている名スタンダード曲です。
ドラムスによる4ビートの短いイントロのあと、テーマ・メロディーをテナー・サックスが吹き始めます。テーマの中間部はピアノが受け持ち、テーマの提示が終わると、ジェームス・クレイによる、テキサス・テナーそのもののストレートで濃いソロが展開されてゆきます。テナーのソロの次はソニー・クラークのピアノのソロに移り、歌心のある明快なプレイを聴かせます。やがて冒頭のテーマ・メロディーを再びテナー・サックスが奏で、そのままエンディングとなります。
ジェームス・クレイはリーダー・アルバム含め、レコーディングの多いジャズ・ミュージシャンではなかったようで、じっくり聴く機会がそれほど多いサックス奏者ではないかもしれません。
それでも90年代に入ってからもレコーディングを行っており、1995年1月に故郷のテキサスで59歳の生涯を閉じました。
国内盤CD
タグ : WEEKEND JAZZ
掲載: 2023年09月22日 10:00