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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.292

ウィントン・マルサリス『ウィントン・マルサリスの肖像』(1982)

WM

ウィントン・マルサリス(tp)
ブランフォード・マルサリス(ts、ss) on 1~5,7
ハービー・ハンコック(p) on 3,5,6
ケニー・カークランド(p) on 1,2,7
チャールズ・ファンブロー(b) on 7
クラレンス・シー(b) on 1,2
ロン・カーター(b) on 3~6
トニー・ウィリアムス(ds) on 3~6
ジェフ“ティン”ワッツ(ds) on 1,2,7

1981年7月~8月、東京、ニューヨークにて録音

曲目:
01.ファザー・タイム
02.アイル・ビー・ゼア・ホエン・ザ・タイム・イズ・ライト
03.RJ
04.ヘジテイション
05.シスター・シェリル
06.フー・キャン・アイ・ターン・トゥ(ホエン・ノーバディ・ニーズ・ミー)
07.トワイライト

【アルバム紹介】
1.最高峰のトランペッター、ウィントン・マルサリスのデビュー作
2.東京とニューヨークでのレコ―ディングで構成
3.ハービー・ハンコックら強力なメンバーの参加も聴きどころ

今回ご紹介するのは、今やジャズ・シーン最高のトランペッターの一人であるウィントン・マルサリスの記念すべきデビュー作になります。
ウィントン・マルサリスは1961年10月の生まれですから、このレコ―ディング時は19歳だったことになります。本作を聴くとわかりますが、若々しいプレイには違いないものの、その安定した演奏力は、まさに天才トランペッターの名にふさわしい堂々たるものになっています。

本作は7月の東京ソニー・ミュージック信濃町スタジオと8月のニューヨークでの2ヶ所でのレコ―ディングで構成されており、東京では、ハービー・ハンコック、ロン・カーター、トニー・ウィリアムスといった強力なメンバーをバックにしており、ニューヨークではケニー・カークランド、チャールズ・ファンブロー、クラレンス・シー、ジェフ“ティン”ワッツら当時の次世代のメンバーが好演しています。その両サイドに、実兄であるブランフォード・マルサリスが加わる形でウィントン・マルサリスのデビューを華やかに飾っています。

取り上げている楽曲は多彩で、1,4,7曲目がウィントン・マルサリス、2曲目がハービー・ハンコック、3曲目がロン・カーター、5曲目がトニー・ウィリアムスのオリジナルとなっており、6曲目はスタンダードという内容です。作曲面に強いメンバーが参加したことで、オリジナリティにあふれたストレート・アヘッドなジャズ・アルバムに仕上がっています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
ミュート・トランペットのプレイが光る“RJ”。

本作は会心のデビュー作ゆえ、聴きどころが多いのですが、そんな中で、ベースのロン・カーターが作曲したこの曲を聴いてみましょう。
非常に短い演奏時間の曲で、3分47秒で完結しています。
イントロはなく冒頭からミュート・トランペットとソプラノ・サックスのユニゾンによる奇妙な音型を持ったテーマが提示されます。テーマ自体は非常に短く、すぐにウィントン・マルサリスのトランペット・ソロへ突入します。快速なスイング・ビートに乗りつつ、巧みにソロを展開してゆきます。単なるバッキングに徹することなく自在に動きまわるピアノ、ベース、ドラムスも聴きどころです。やがてソロは兄のブランフォード・マルサリスのソプラノ・サックスへ引き継がれ、こちらも素晴らしいソロで魅了します。緊張感の高い演奏はあっという間に、テーマ回帰を迎え、意外とあっさりとエンディングへと向かいいます。メンバーがメンバーだけに、どことなく60年代のマイルス・デイヴィスのクインテットの雰囲気が漂うところが別の魅力だったりします。
ウィントン・マルサリスは本作で本格デビューをした後、80年代はリリースするアルバムで数々のグラミー賞を受賞し、1997年にはジャズ・ミュージシャンとしてはじめてピューリッツァー賞を受賞するなど、華々しい経歴を積み上げてゆきます。現在は自身が芸術監督をつとめるジャズ・アット・リンカーン・センター・オーケストラでの活動がメインになっており、精力的に活躍しています。

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タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2024年09月06日 10:00