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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.294

チェット・ベイカー『チェット・ベイカー・プレイズ・ラーナー&ロウ』(1959)

CB

チェット・ベイカー(tp)
ハービー・マン(fl, ts)
ズート・シムズ(ts, as)
ペッパー・アダムス(bs)
ビル・エヴァンス(p) on 2,6~8
ボブ・コーウィン(p) on 1,3~5
アール・メイ(b)
クリフォード・ジャーヴィス(ds)

1959年7月21日、22日、ニューヨークにて録音

曲目:
01.アイヴ・グロウン・アカスタムド・トゥ・ハー・フェイス
02.一晩中踊れたら
03.ザ・ヒーザー・オン・ザ・ヒル
04.君住む街で
05.恋をしてみたい
06.サンク・ヘヴン・フォー・リトル・ガールズ
07.アイ・トーク・トゥ・ザ・トゥリーズ
08.ショー・ミー

【アルバム紹介】
1.スタイリッシュな魅力を持ったトランぺッター、チェット・ベイカー
2.名コンビ、ラーナー・アンド・ロウのスタンダード楽曲を取り上げた逸品
3.ピアノのビル・エヴァンスをはじめ名手揃いの参加メンバー

毎週,トランペッターの名盤を取り上げてきていますが、今回は今でもなお、そのスタイリッシュな魅力で多くのリスペクトを集めるトランペッター、チェット・ベイカーの1959年の名盤です。

本作は作詞家のアラン・ジェイ・ラ-ナーと作曲家のフレデリック・ロウのコンビによるミュージカル・ナンバー=スタンダード・ナンバーを取り上げた一作で、ウエスト・コースト・ジャズのイメージが強いチェット・ベイカーが、ニューヨークを本拠とするリヴァーサイド・レーベルでレコーディングした傑作です。

参加メンバーは名手揃いでフルートとテナー・サックスにハービー・マン、テナー・サックスとアルト・サックスにズート・シムズ、バリトン・サックスにペッパー・アダムス、そこにピアノにはビル・エヴァンス、もう一人、ボブ・コーウィン、ベースはアール・メイ、ドラムスはクリフォード・ジャーヴィスといった顔ぶれになっています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
リリカルなプレイで魅了する“アイ・トーク・トゥ・ザ・トゥリーズ”。

この曲はミュージカル『ペンチャー・ワゴン』の中の1曲で、映画ではリー・マーヴィン、クリント・イーストウッドが主演でした。劇中でクリント・イーストウッド本人が歌ったナンバーがこの曲です。
ビル・エヴァンスのピアノによる短いイントロの後、チェット・ベイカーのトランペットがリリカルに、テーマ・メロディを奏でてゆきます。途中中間部はズート・シムズのテナー・サックスに引き継がれますが、再び冒頭のメロディがトランペットに移り、テーマの提示を終えると、そのままソロになります。
ここでのチェット・ベイカーのソロはどこか遠い記憶を呼び起こすような、ノスタルジックな雰囲気に包まれたプレイが見事です。続いてハービー・マンのフルート・ソロ、そしてビル・エヴァンスのピアノ・ソロと進み、やがてテーマに回帰、最後の一音までしっとりと曲を終えます。
チェット・ベイカーはトランペッターでありながら、ヴォーカルにも秀でた才能を持ったミュージシャンでしたが、それゆえ歌心たっぷりの演奏に長けており、本作では至る所で、そんないいプレイが聴けます。

国内盤SHM-CD

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2024年09月20日 10:00