作風が広すぎて神の領域!?『ドールハウス』矢口史靖監督の驚くべきフィルモグラフィ

6月13日から公開されるのが、家族が人形に翻弄されてゆくスリルと謎解きミステリーを描いた映画『ドールハウス』だ。矢口史靖監督が、110分間ノンストップの“ドールミステリー”を面白く、そしてエキサイティングな映像に仕上げている。そんな矢口監督だが、ネット上では彼がこれまでに手掛けてきた作品の作風が広すぎると話題に。今回は、矢口監督の驚くべきフィルモグラフィを振り返っていこう。
●青春、コメディ、ホラーまで……多彩すぎる矢口史靖作品たち
矢口は1993年に『裸足のピクニック』で劇場長編監督デビューを果たしたのち、2001年公開の映画『ウォーターボーイズ』で一躍名を轟かせた。同作は「第25回日本アカデミー賞」の優秀監督賞と脚本賞を受賞し、さらにテレビドラマ化もされるほどの人気作となった。
また、2004年には上野樹里が主演を務める『スウィングガールズ』を監督。東北の片田舎の高校を舞台に、ジャズに魅了された女子高生たちの青春を熱く描き、見事「日本アカデミー賞 最優秀賞脚本賞」を受賞した。ちなみにスウィングガールズを演じる17名は長期間の特訓を経て、迫力のある演奏をマスターするという徹底ぶり。なんと劇中で使用される楽曲は全て出演者本人たちによる演奏だという。
実は矢口が得意とするのは青春映画だけではない。2008年には航空業界を描いた『ハッピーフライト』、2014年には林業をテーマにした『WOOD JOB!~神去なあなあ日常~』など、仕事をメインにした作品も手掛けヒットしている。また、コメディミュージカル『ダンスウィズミー』を監督するなど、矢口の作品の幅は計り知れない。
新作の『ドールハウス』は、主人公夫婦が亡くした娘にそっくりな人形が恐怖を運んでくるという物語。捨てても捨てても、手元に戻ってくる人形には隠された秘密があり……。話が進むにつれて解き明かされていく衝撃の真実が気になる作品だ。夫婦役を演じるのは俳優・長澤まさみと瀬戸康史で、長澤にとって“怖い映画”で主演を務めるのは初めてだという。
映画公開に先立ち、矢口が生み出した原案・脚本を小説化した「映画ノベライズ ドールハウス」には、映画本編では語られないシークレットエピソードも収録されている。著者である夜馬裕の淡々としながらも引き込まれる文章も魅力の1冊だ。映像と文章の両方で恐怖を味わってみてはいかがだろうか。
矢口史靖 監督作品&書籍
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タグ : レビュー・コラム
掲載: 2025年05月28日 17:40

