リンドン=ジー&リトアニア国立響『シルヴェストロフ:ヴァイオリン協奏曲、交響曲第8番』世界初録音 2025年7月17日発売

現代ウクライナの作曲家ヴァレンティン・シルヴェストロフによる世界初録音の2作品
CD
※国内仕様盤には小室敬幸氏の日本語解説が付属します。
■作品詳細
ヴァイオリン協奏曲はシルヴェストロフの「バガテル期」(2003~2017年)の集大成であり、「瞬間」と「記憶(追憶)」という二つの原理に基づく作品。1990~91年作曲の「ヴァイオリンと管弦楽のための交響曲」の姉妹作でもあるこの曲は、ベートーヴェン的な親密さと簡潔さを備え、より内面的で詩的な音楽へと向かう「終わりではなく始まりに向かって開かれる形式」として展開されます。冒頭の暗いオーケストラの主題は、やがてヴァイオリンの内省的な旋律へと変化し、両者の対話を通じて次第に抒情性が深まっており、こうした表現は第3楽章「パストラール」や、ピアノ独奏がヴァイオリンの軌跡を追うように重ねられる終楽章「セレナーデ」において特に際立っています。静寂の中から生まれ、再び静寂へと還っていく存在の美しさと深さを静かに表現する音楽です。
交響曲第8番は、伝統的な形式に拠らず「一連の瞬間」として構成されており、全6楽章が切れ目なく続くモザイクのような流れが形づくられています。主題は常に変容しながら循環し、調性的な素材と非調性的な素材との対比によって音楽を形成、曲の構成要素には、下行するクロマティック・クラスター、マイナーコードの進行、上昇するスケール、ファンファーレ風のモチーフなどが含まれており、さらにピアノやハープ、木管楽器による短く儚い旋律的エピソードが随所に散りばめられ、これらは希望や記憶の断片のような印象を与えます。この作品は、人間の苦しみと再生への希求を同時に内包しており、最後の沈黙は絶望ではなく、深い瞑想と包容を意味します。
※国内仕様盤には小室敬幸氏の日本語解説が付属します。
(ナクソス・ジャパン)
■収録曲
ヴァレンティン・シルヴェストロフ(1937-):
1-4. ヴァイオリン協奏曲(2016)
1. I. Elegie: Allegretto - Andante - Adagio -
2. II. Intermezzo: Allegro -
3. III. Pastorale: Andante -
4. IV. Serenade: Andantino
5-10. 交響曲第8番(2012-13)
5. I. Andantino - Adagio -
6. II. Moderato - Allegro assai - Maestoso -
7. III. Intermezzo: Andantino -
8. IV. Andante - Allegro assai - Allegretto - Andante -
9. V. Moderato - Allegro vivace -
10. VI. —
全て世界初録音
【演奏】
ヤヌシュ・ヴァヴロフスキ(ヴァイオリン)…1-4
リトアニア国立交響楽団
クリストファー・リンドン=ジー(指揮)
【録音】
2022年9月19-20日…1-4
2022年9月21-22日…5-10
リトアニア、ヴィリニュス、ナショナル・フィルハーモニック・ホール
総収録時間:54分
Naxosからリリースされているシルヴェストロフ・アルバム
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2025年05月30日 17:30