ビョルン・アンドレセン 追悼 ~ 映画『ベニスに死す』の美少年、マーラーのアダージェットとともに

【参考画像】1971年にドイツ・グラモフォンが発売したサントラ盤のアートワーク
スウェーデンの俳優ビョルン・アンドレセンさんが、がんのため2025年10月25日に70歳で亡くなりました。アンドレセンさんは1955年1月26日、ストックホルム生まれ。15歳の時、イタリアの映画監督ルキノ・ヴィスコンティ氏に声をかけられ、『ベニスに死す』(1971年)で美少年タッジオを演じ、「世界で一番美しい少年」として知られました。
ご承知のように、この映画では甘美な旋律で知られるマーラーの交響曲第5番の第4楽章アダージェットが使われたことで有名です。
映画全体のメインテーマとして、冒頭のベニスへ向かう船のシーンから、主人公アッシェンバッハが美少年タジオに心を奪われるシーン、そして最後の死の場面まで、全編を通して繰り返し使用されました。アッシェンバッハの憧れ、苦悩、そして忍び寄る死の予感を象徴する曲として、映画と不可分の存在になっています。
まだ、今日ほどポピュラーでなかったマーラーの交響曲が一躍広く知られるきっかけともなりました。また、映画ではもう1曲、マーラーの交響曲第3番の第4楽章「おお人間よ、心せよ!」(アルト独唱)も、深く内省的な場面などで印象的に使われました。
映画のサウンドトラックは、同映画の音楽監督を務めたフランコ・マンニーノ指揮ローマ聖チェリーリア音楽院管弦楽団による演奏でしたが、当時ドイツ・グラモフォンがリリースしたサウンドトラック盤はラファエル・クーベリック指揮バイエルン放送交響楽団によるセッション録音(現在廃盤)が使われていました(日本盤サントラLPは グラモフォン MG5001(廃盤)1971年8月21日発売)。
ここではビョルン・アンドレセンの映像作品、マンニーノ指揮のサウンドトラック盤、マーラーの交響曲第5番、第3番のオススメCDをご紹介いたします。
(タワーレコード 商品本部 板倉重雄)
ビョルン・アンドレセンの映像作品
マンニーノ指揮のサウンドトラック盤
マーラー:交響曲第5番のオススメ
マーラー:交響曲第3番のオススメ

【参考画像】マンニーノ指揮のオリジナル・サウンドトラック盤のアートワーク
カテゴリ : ニュース | タグ : GUSTAV MAHLER
掲載: 2025年10月28日 13:00