ナタリー・ワイズ(4)
思いついたことやって、聞いてみて、 気持ちよければこれでいい
──ソウルセットは今、活動休止?
BIKKE いや、分裂(笑)。いろんな状況の中でメンバーの中でどうにもならなくなっちゃって、それを外できっちりまとめてくれる大人もいなくなって、じゃあもう、って。
──ソウルセットの頃と音楽に対して変化ってありますか?
BIKKE 今は楽にやってる感じだね。ソウルセットはともかく一生懸命やってたもんね。今も一生懸命だけど、ベクトルが違うっていうか。ソウルセットって、自分で中、中、中、っていうか、バンドの後半はだんだん自分のことばっかっていうか嫌な面ばっかり触れるようになっていっちゃって、どんどん不幸になっていく。全然楽しくねえよ、こんな作業って。
──じゃあ、今は詩を書くのが楽になった?
BIKKE それでもやっぱり面倒くさいですよ。だっていちばん苦手なことをしてるんだから。子供の頃の感覚を思い出してみると、本読んだり文章書いたりっていうのがいちばん苦手だった。だからそれを今やっててどういうことになってくかが面白いんだけど。
──後ろの音の作り方とかトラックの取り方とか、音楽的なスタイルもソウルセットとかなり違いますよね。そういう生な演奏をバックにするってことは最初に考えてたんですか。
BIKKE 前はターンテーブルの決まったサイズの中でそこで合わせていかないといけなくて、で、一回始まっちゃったらもう間違えられない。完璧なオケができてるから。だから特にライブの時になると、ガッと行きたい時に全員行ってないっていうのがあったんですよ。音はあくまでもクールにやってるんだけど、これだけ熱いのに、みたいな(笑)。だから今はそれがあるのは楽しいね。
──詩の内容は正直、以前と変わった印象はなかったんですが、声が解放されてる気がしたんですよ。
BIKKE どうなんですかね。でもそういうふうな状況でできる人たちといたいって思ってたんで。あんまりいろんなこと深く考えてないんだよね。
高野 ないない全然ない。思いついたことやって、聞いてみて、気持ちよければこれでいいねって。
──こういう人に聴いてほしいっていうのは?
高野 うーん、今の音楽つまんないって思ってる人は意外とはまるかもしんない。ナタリー始めてから、テレビで流れてくる音楽聴いても、なんでみんなこんなに同じようなことやってんだろうって思うもん。よくないな、この発言(笑)。
(2001年9月11日、高円寺マーブルトロンにて)
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