渡辺俊美(Redevelopment)(4)
ウッディ・アレンみたいに、コンスタントに表現しつづけたい
Gallileo 福岡出身のニューカマー。結成一年足らずとは思えないオリジナリティに溢れるバンド。Redevelopmentのアルバムが初音源となる。主にクラブ・イベントを中心に活動中。
──では、Gallileo。
人ですね。人がいい。最終的に人なんですけど。はじめ聴いたときはなんちゃってフェアグラウンド・アトラクションみたいな感じがしたんですが、ギターがちょっとロカビリー入ってるから、アコースティックが入ったらどういう感じになるのかなとか、これからもいろいろ聴いてみたい。
──お手本をまんま綺麗にコピーするんじゃなくて、どこか微妙にずれてしまう。そういうのは九州のバンドの特徴だったりしませんか。
へそ曲がりなんじゃないですか。それがいいですね。あんまり綺麗にやんないでほしいバンドですね。
SLY MONGOOSE COOL SPOONのメンバー笹沼位吉が率いる最新プロジェクト。笹沼はスチャダラパー、ソウルセットなどのライブでも活躍するベーシストであり、木曜日青山MIXでレギュラーを努める人気DJでもある。
──SLY MONGOOSE。
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SLY MONGOOSEはこの中ではいちばんダンス・ミュージックっぽいですね。なんちゃってラテンみたいなやつとか、なんちゃってカリプソとか、そういうのができるバンドなんですよね。
──COOL SPOONのメンバーによる新バンドなんですよね。
木村華子 EVERYTHING BUT THE GIRLに強く影響を受けたという新人ボーカリスト。プロデューサー井出靖氏が発掘。
そうですね。COOL SPOONにはモッズというコンセプトがあって、そこからジャズに入っていった。でも、ドラムがサンプリングだったこともあるし、いいように消化していた。その頃からけっこう浮いていたと思うんですけどね。いわゆるジャズバンドではなかったですね。
──木村華子さん。
いいですね。落ち着きますね。どんどんかわいくなって、結婚して、早くしあわせになって欲しいですね(笑)。しあわせになってもらって、しあわせなソングを歌って欲しい。
若い子といっしょにやったほうがいいですね。井出靖さんのプロデュースもいいけど、ほかの人とやったものも聴いてみたい。
BIKKE TOKYO No.1 SOUL SET のMC。現在は高野寛、斎藤哲也(undercurrent)とNathalie Wiseを結成し活動中。
──BIKKE & undercurrent。
蛍光灯じゃちょっと聴けない音楽なんで、灯りを暗めにして聴いて欲しいですね。
──イントロのピアノを聴いていると、吸い込まれるようですね。
undercurrentですからね。ビル・エヴァンスですよ(1963年のアルバム『Undercurrent』)。BIKKEはBIKKEですね。他にいないですからね、これを堂々とできる人は。それしかできないっていう部分もあるし、そういうところはやっぱり買うべきですよね。歌詞に関してはなんでもありって本人は言ってますけどね。ちょっとは楽になったのかな。いいたいことは一語でいいみたいな感じなんじゃないですかね。
BIKKEって45歳ぐらいになったとき、もっといい味出るでしょう(笑)。だから長く続けて欲しいなと。
でもソウルセットのBIKKEが聴きたくなりますね。ナタリーワイズのCD聴いたりすると。俺とやろうよ、っていう。ちょっとジェラシー入ってるんです(笑)。
渡辺俊美 アパレルブランドDOARATの代表にして、TOKYO No.1 SOUL SETのギター/ボーカル。Redevelopmentのプロデューサー。
──最後に、渡辺俊美さん自身について。
1枚丸ごと「Lookin'4」(1曲目)みたいなアルバム作りたいですね。
──この曲を聴くと、なんだか楽しい気持ちになって、それが今回のコンピレーション全体の印象を前向きにしていると思います。
やっぱり僕だけ子供いるって感じしますよね(笑)。1年に1回は出していきたいですね。自分のアルバムでも「Redevelopment」でもいいんですが。
たとえばウッディ・アレンは、コンスタントに1作づつ作品を出していて、ハリウッドみたいに思いっきりメジャーなわけではないけれども、でもちゃんと表現し続けている。彼のバンドも3年ぐらい前にニューヨークに見に行ったんですけどね。楽しそうでしたね。そんなふうに、なんか軽ーくやりたいですね。生みの苦しさ、みたいなのではなくてね。僕はカミさんをポンポン変えたりしませんけど(笑)、表現活動の姿勢は尊敬しますね。
──今後も「Redevelopment」の企画は続いていくのですよね?
いやもう、終わらないというか、死ぬまでずっと「Redevelopment」したいなと思っています。今回参加してもらった人たち以外にも、新しい視点を持った人たちはまだまだいっぱいいると思うし。このアルバムに関しても、別にいまが旬なだけではなくて、ずっと売られていくようなものにしたつもりだし。僕も小さなカフェとかクラブでライブをやっていきたいなと思っています。
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