UKブレイクビーツ・クリエイターたちが繰り広げるいろいろなフュージョン
ジャズ~ガラージ~ドラムンベースと徐々にBPMを上げていくアルバム『Faster』。鮮やかに形態を変化させる様は、ジンクの意外な一面を見せられた感もあるが、ドラムンベース畑のプロデューサーには、他にもスムースな流れでさまざまなスタイルを操る人が結構多いのです。代表的なのは4ヒーローのディーゴで、ハードコア・ブレイクビーツからブロークンビーツ~フォーキー・ソウルへと移行。80年代後半のディーゴと現在の彼を比較するとあまりに極端な変化だが、その過程を追っていけば納得の流れ。近いところではLTJブケム。彼の場合はレア・グルーヴ路線への入れ込みが顕著だが、ハウス・レーベルも用意しており、今後もおもしろい動きが見られそう。
そういった大御所たちに負けじと凄いのがゼッド・バイアス! いくつもの名義を使い分け、緩急自在にトラックを制作。そのクォリティーの高さと柔軟性ではピカイチかも。この他にはニュー・スクール・ブレイクスを制作するTパワーやB.L.I.M.、ラウンジを採り入れるダニー・ブレイクスなど個性的な面々がいるなか、ちょっと番外編的でジョンBもご紹介。なんと彼はメイクもバッチリ決めて80's路線をまっしぐら。これは行き過ぎた例だけど、それだけいろんな表現に長けた人が多くいるってことですかね?
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掲載: 2004年02月05日 16:00
更新: 2004年02月05日 18:55
ソース: 『bounce』 250号(2003/12/25)
文/青木 正之