辻村兄弟のステキなお仕事――(3)
15. 菅野よう子 『CMようこ2』 Grand Trax(2009)
彼女が手掛けたCMソング集第2弾には、キセルがヴォーカルを取る“Share”(TVドラマ「人生って嘘みたい」挿入歌)を収録。ジョン・レノンのバラードを思い起こさせる厳かな雰囲気を持ち、透明感を湛えたハーモニーも実に美しい。*桑原
16. ASA-CHANG&巡礼 『影の無いヒト』 commmons(2009)
構想5年の〈大衆歌謡〉で音楽シーンに問題提起した本作において、豪文がギターを、弟がミュージカル・ソウを奏でたのはラストを飾る“カクニンの唄”。粛々とクライマックスへ向かう様を朴訥とした歌が感動的に演出している。*土田
17. ハナレグミ 「弾きが旅だよ人生は!《YOYOGI DE 360度囲みまくって熱唱しまくっちゃいナイト》」 Laughin'(2009)
豪文がギタリストとして参加したライヴのDVD。彼を起用した永積タカシはそのギターの魅力を〈宇宙っぽい感じで、響きがエロイ〉と語っているが、そんな特質が存分に発揮された場面は随所で確認できる。*桑原
18. 『"COVERS" FreeTEMPO COVERED ALBUM』 Clear Sound(2009)
先頃FreeTEMPO名義の活動終了を宣言した半沢武史が、尊敬するアーティストに自作曲のカヴァーを依頼したという企画盤に参加。ほぼギターとピアノと歌のみで“You and Me”をフォーキーにリメイクしている。*土田
19. つじあやの 『つじギフト~10th Anniversary BEST~』 スピードスター(2009)
同郷でもある彼女のデビュー10周年記念ベスト盤には、キセルが手掛けた“今日はたまたま”のリミックスが。ウクレレ+歌+ほんわかしたキセル流儀のバックトラックという取り合わせは、ある意味キラー。*土田
20. 『くるり鶏びゅ~と』 NOISE McCARTNEY/スピードスター(2009)
豪文がサポートを務めたこともある盟友のトリビュート盤で、くるりのインディー時代の楽曲“Old-fashioned”をカヴァー。ピアノとアコギとベースと歌を基本に脱力感たっぷりに展開されているが、元のアレンジを活かして挿入される歪んだギターが彼らにしては新鮮だ。*土田
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カテゴリ : インタビューファイル
掲載: 2010年06月22日 13:44
更新: 2010年06月22日 13:48
ソース: bounce 321号 (2010年5月25日発行)
ディスクガイド/桑原シロー、土田真弓