インタビュー

INTERVIEW(1)――準備体操的な?

 

準備体操的な?

 

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――そもそも節目に何か出そうというプランがあったんですか?

Masaya「発端は何だったんでしょうね。すいません、プランはいつも壮大なんですが、ユルくて(笑)。オリジナル・アルバムを出したいけど、そこへの準備体操的な?」

DJ JIN「10周年なので何かリリースしたい意思があったところに、KSRから偶然お話をいただいたというシンクロニシティーの産物です。運命です」

Ladi Dadi「10年はひとつの大きな節目だから各々何かはやっておきたかった、と思う。プロデュースなんかもたくさんやっているけど今回は〈パーティーの10周年〉だから、ピュアなDJ作品にしました」

――10年前と現在を比べて、大きく変わった部分はありますか? 例えば場所が移ったことで何か変化が生じたとか……。

LD「MIXの時はあのハードなサウンドシステムでアナログな生音を聴かせるのが楽しかったけど、ROOMに移るあたりからエレクトロニックな音楽がおもしろくなってきていたので、それがベストに表現できる場所とタイミングが重なったと思います」

Masaya「いろんな意味で僕らもお客さんもハコも成長しているので、変化は常にあるのかと」

JIN「荏開津広さんと自分で10年前にスタートした頃と、本質的には何も変わってません。楽しんでパーティーしつつ、新しい価値観を滑り込ませていくという。ヒップホップから出発/経由して、攻める、という」

――一方で人数は変化しています。FREEDOM CHICKENさんの加入はどのような理由で?

Masaya「NY時代からよく知る後輩でもあり、リスペクトするDJなので、東京に帰ってきたならbreakthroughという場でいっしょにやりたいと自然に思いましたね」

JIN「MIXの頃からゲストでプレイしてもらったり、ミックスCDをよく聴いていたり。breakthroughの初音源となる“The Annex”(2003年のコンピ『HARLEM ver.2.0』に収録)のレコーディングでスタジオに遊びに来てチョロっと参加したり。あとは、2005年のbreakthroughのアルバムをマスタリングしにNYに行った時、1週間ほど泊まらせてもらったり……感性も同じで、自然な流れです」

――それまで抱いていた〈breakthrough〉のイメージに違いはありました?

FREEDOM CHICKEN「何もありません。お客さんもDJも自然体で楽しんでるし、純粋にグッド・ミュージックでコミュニケートしてるんだなぁと思いましたね。それは自分が客として遊びに行ってた時と同じ感覚でしたね」

――FREEDOM CHICKENさんの加入で、チーム内に変化は生じましたか。

MF「極めて同じヴェクトルで音楽を追求している仲間の一人なのであまりないのかな? 自分がDJしなくていい時間が増えて、安心していろんな人と談笑していられます」

――プレイや音の要素的に、いままでなかった何かが持ち込まれたとか、いままであったものが強化されたとか……。

LD「どちらもあるかな。新しいグルーヴ感が持ち込まれたことは間違いない。それは自分が求めていた答えのようなものの1つだったから、初めてDJを聴いた時、スゲェー!って思った」

――今回の選曲も4人でされたのですか?

Masaya「各自が入れたい曲を出しただけですね。その時点でけっこう皆の選曲がかぶったりしてたので、フィックスまではあっという間でした」

JIN「ふだん〈breakthrough〉でバック・トゥ・バックしている感覚です。FREEDOM CHICKENのヤバさを紹介したいこともあって、DJミックスの実作業は、あえて彼に一任しました」

Masaya「黒くて間のあるグルーヴ、そしてソウルフル。皆が好きな曲って感じですね」

 

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カテゴリ : .com FLASH!

掲載: 2010年07月28日 17:59

インタヴュー・文/出嶌孝次