小林太郎 『DANCING SHIVA 』
「1stアルバムを出してから、<こんなもんじゃねえぞ>って気持ちがあった。今作で今の自分のすべてを出しきった感じです」
小林太郎が止まらない。今年4月に1stアルバム『Orkonpood』をリリースして以来、
各音楽メディアから絶賛を浴び、日本全国の夏フェスに出まくり、
9月には「ミュージック・ステーション」にまで出演。
新人で男でソロでストレートなロック・シンガーという、音楽シーンの流行とは
まったく無縁の存在でありながら、いや、そうであるが故に、
その唯我独尊的な存在感と才能に熱い視線と期待が集まりつつある、
まさにその矢先に、早くも2ndアルバムの登場である。
『DANCING SHIVA』、そのタイトルに込めた小林太郎の想いとは――。
「インドのシヴァ神って、もの作りの神様でもあるんです。
より良いものを作るには、今あるものを全部ぶっ壊して、
ゼロから作らなくちゃいけないっていう考えを説いてて。
ダンシング・シヴァっていうのは、
そのシヴァ神がものを壊すやり方からきてる言葉。
すごくないですか? 踊りながらぶっ壊すのって。
自分もこの作品で、前作よりもさらに振り切ったものを作りたかったんです。
ロックならロックで、バラードならバラードで、力強く疾走感のあるサウンドで
まわりのものをぶっ壊しながら、とことん振り切った表現にまで行き着きたかった」
まさにその言葉通り、アルバム冒頭から雪崩れのように襲ってくる、
強靭でしなやかなギター・サウンドと鮮烈な言葉と圧倒的な歌声。
ロックの快楽原則にどこまでも忠実な獰猛でハードなサウンドでありながら、
その煌びやかなメロディはロックファン以外の幅広いリスナーを強烈に引きつける魅力を放っている。
「1stアルバムを<いい!>ってくれる人が想像以上に多くて、それはすごく嬉しかったんですけど、
自分の中ではどこかで<こんなもんじゃねえぞ>って気持ちがあって(笑)。
ようやく今作で今の自分のすべてを出しきった感じです。まだまだ成長過程ですけど、
これでようやくスタートラインに立てたなって」
■SONG LIST……『DANCING SHIVA 』
01.freedom
02.スノウ
03.円舞曲(ワルツ)
04.サナギ
05.ユニヴァース
06.フレンチ
07.エンクロック
08.ガソリン
09.Baby' got my blue jean' on
10.日触
■ PROFILE…小林太郎(こばやし たろう)
今年4月に1stアルバム『Orkonpood』をリリース。
夏には大型フェスにも多数出演し圧倒的パフォーマンスで観客にその名を刻み付ける。
これからの日本の新世代ロック・シーンを担う稀有な存在として更なる活躍が期待される。
11月より全国ワンマン・ライヴも決定。
記事内容:TOWER 2010/10/20号より掲載