宇多田ヒカルにまつわるさまざまなアーティストたち――(1)
THE ROLLING STONES 『Aftermath』 Decca/Universal(1966)
『First Love』収録の“甘いワナ~Paint It, Black~”は彼らの“Paint It, Black”が引用されている。聴いてもそれらしきフレーズが出てこないぜ……と思っていると、最後に同曲の冒頭の歌詞が一節使われているのだった。ちなみに“time will tell”のギター・フレーズはスティング“Shape Of My Heart”の引用。
尾崎豊 『十七歳の地図』 ソニー(1983)
尾崎をリスペクトしていることで知られている宇多田は、ステージでも当初から“I LOVE YOU”のカヴァーを披露していたほどで、現在は廃盤となっている彼のトリビュート盤には、17歳の頃のライヴ・テイクが収められた。ピアノをバックにした直球カヴァーはかなり泣かせる仕上がり。
浜崎あゆみ 『A BEST』 avex trax
宇多田と同じく98年にデビュー、また同様にその後モンスター級のCDセールスを誇ることとなるあゆ。2001年発表のこのベスト盤は、奇しくも宇多田の『Distance』と同日リリースとなり、〈歌姫対決〉と呼ばれて話題となったことも(結果は後者に軍配)。ブラーとオアシスみたいね。
椎名林檎 『唄ひ手冥利 ~其ノ壱~』 EMI Music Japan(2002)
宇多田ヒカルという名の敷居が高いからか(!?)、客演することは稀な彼女だが、椎名林檎のカヴァー集には登場している。この興味をそそるマッチングで歌うはカーペンターズで知られる“I Won't Last A Day Without You”。2人のレイドバックした歌唱が耳に心地良く、女子っぽさに溢れたラヴリーなナンバーに。また同曲でステージを揃い踏みしたことも。
NE-YO 『Ne-Yo: The Collection』 ユニバーサル
Utada名義(当初は配信限定)ではあったが、大ヒットしたニーヨの2007年作『Because Of You』に収録された“Do You”を彼とデュエットしている。これはニーヨが各国の女性シンガーと歌うというエロ……素敵な企画での登用、つまり日本代表というわけ。コラボにあたって歌詞も変更されたそうで、サラッとスムースな絡みを聴かせている。