宇多田ヒカルにまつわるさまざまなアーティストたち――(2)
Crystal Kay 『Call Me Miss...』 エピック(2006)
ジャム&ルイスがプロデュースを手掛けた日本人アーティストは宇多田が初になると思われるが、Crystal Kayもその後“Kirakuni”をはじめ2度に渡って彼らに制作を委ねている。互いにジャパニーズR&Bのなかでも世界レヴェルの実力を持つシンガーだということの証明かと。
「エヴァンゲリオン新劇場版:序」 スターチャイルド(2008)
ゲーマー&アニメ好き、ということをきっかけとしてか、ソレ系のタイアップも多い宇多田。本人もファンだというアニメの映画版、〈エヴァンゲリオン新劇場版〉シリーズの第1作〈序〉と第2作〈破〉の各主題歌を担当した。またゲーム〈キングダムハーツ〉でもテーマ曲を手掛けている。
THE BACK HORN 『アサイラム』 スピードスター(2010)
『ULTRA BLUE』収録の軽快なボッサ・ハウス“One Night Magic”にはTHE BACK HORNの山田将司がフィーチャーされている。もともと宇多田はこのバンドのファンだったそうで、男声コーラスが欲しいと思っていた時にひらめいたのが彼だったとか。ユニゾンで歌う部分は2人の声が似すぎていておもしろい。
菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール 『New York Hell Sonic Ballet』 ewe(2009)
TVCMでもお馴染みの新曲、エディット・ピアフ〈愛の賛歌〉のカヴァーは菊地成孔がアレンジを担当。編曲にあたり、宇多田はチック・コリア“Spain”をイメージしていることなどを彼に伝えつつ、2人でディスカッションをしながら仕上げていったのだとか。
Dew 『花図鑑 別冊』 ビクター(2009)
音盤になっていないもの含め、JUJUや大橋トリオなど宇多田の曲をカヴァーしている人は非常に多い。それだけ名曲が多数あるということだが、近年だとピアノと歌で原曲以上の爽やかさと透明感を持って披露したDew“SAKURAドロップス”が優秀なリメイクと言える。