インタビュー

aiko 『まとめⅠ』、『まとめⅡ』

 

 

 


 待望の、という言葉がここまでふさわしいベストアルバムは本当に珍しいと思う。
デビュー13年目を駆け抜けているaikoが、初めてのベスト『まとめⅠ』『まとめⅡ』を2枚同時リリースすることになった。
多くの人に愛され続けている既発曲に、再録音曲&初音源化曲を加えた全32曲。
それはファンならずとも感涙必至の内容だ。

 

  

「今まで応援してくれてた人たち、<はじめまして>の人たちにあらためて届けられるCDにしたかった」


「ここを節目にはしたくないなって思ってたので、
懐かしむこともなく今までの自分の中から
新しいアルバムをあらためて作るような
気持ちだったんです。
だからタイトルも、『まとめ』にして(笑)」

 

 「節目にはしたくない」というのは、立ち止まることなく
常に先を見続けて時代を駆け抜けてきた
aikoらしい言葉だと思う。
だが、そこに並んだ名曲の数々を聴けば、
彼女が辿ってきたこれまでの歴史の素晴らしさを
あらためて実感することになるだろう。
デビュー13年目にして初となる
ベストアルバム『まとめⅠ』『まとめⅡ』、2枚同時リリース。

 

「いまだに私なんかがベストを出していいものなのかなっていう気持ちがあったりもするんですけど、
13年走ってこれたからこそ作れたアルバムだと思います。
曲を選ぶ段階では、それぞれからファンのみんなの顔がぶわっと浮かんできましたね。
それはやっぱり今までずっと聴いてくれてた人たちがいるからこそなわけで。
すごいことやなぁって、ほんとに思いました。
なので、そうやってずっと応援してくれてる人にもう一度届けられるCDにしたかったので、
レコーディングし直した曲とか初めてCDにする曲も入ってます。
もちろん、<はじめまして>の人にもめちゃくちゃ聴いてもらいたいです」

 

 

 

 大ヒット・シングルはもちろん、カップリング曲、アルバム曲からも満遍なく、
絶妙に選りすぐられた全32曲。
そこにはaiko本人が語っているように、ここでしか聴けないナンバーも多数収録されている。
まずは、今回のタイミングで再録音された
“赤いランプ”、“愛の病”、“帽子と水着と水平線”、“ジェット”の4曲。
ライヴではお馴染みのナンバーたちだけに、どれもグッとテンポ・アップされているのが印象的だ。

 

「そうなんですよ。家でCDを聴いているのとでは体感の仕方が違うので、
ライヴではテンポを上げて歌う曲がけっこうあるんです。
で、今回ベストに入れたい曲を選んでいる中で、
「この曲ってライヴで歌ってるのと形が違うよね?」「じゃあ録り直そう」っていうことになって。
一回レコーディングしたものをもう一度録り直すっていうのは
すっごい贅沢だから嬉しくもあったけど、逆にプレッシャーもありました。
元の曲を好きでいてくれる人が<アレ!?>って思うのはダメだから、
必死にふんばって歌いましたね(笑)」

 

 また、今回が初音源化となる2曲も収録されている。
“れんげ畑”は、インディーズ時代のミニ・アルバム『GIRLIE』にボーナス・トラックとして
弾き語りで収録されていたり、TVアニメ「まっすぐにいこう。」のエンディング・テーマとして
起用されてはいたが、フルコーラスでのCD収録は初めて。
もう1曲の“mix juice”は、ライヴでは何度も披露されているだけに人気の高い1曲だが、
これまではライブDVD以外には収録されていなかった。
そんな2曲が家で楽しめる、という時点で今回のベスト・アルバムのリリースは、
ファンにとっての<嬉しい事件>なのである。

 

「<やっとか、aiko!>って思っていただければ(笑)。
“れんげ畑”は、ハタチか21歳ぐらいのときに
新幹線から実際に見たれんげ畑がきっかけになって出来た曲で。
フル・コーラスで聴けるのはほんとに初めてですね。
今回、歌詞を付け足した部分もあります。
アレンジがビッグ・バンドの豪華な感じになったので、
しっかり息を吸って楽しく歌えました。
“mix juice”もデビュー前からある曲なんやけど、
この曲はライヴで盛り上がれる曲を作ろうと思ってできました。
こういうTHEロックンロールな曲は昔も今もあんまり作ることがないので、
けっこう異色かも(笑)。
今回はライヴでやっているのとはアレンジを変えて、もうちょっと遊びを入れた感じですね。
レコーディング・スタジオのブースの中で、一人でノリノリで歌いましたよ」

 

 その他にも、初回限定特別仕様盤は豪華な<スペサルBOX>仕様だ。
aikoがかつて担当していたラジオ番組「aikoのオールナイトニッポン」を
当時のスタッフとともに新たに再現、そしてラジオ好きのaikoが
まだパーソナリティーになる前の気持ちを曲にした
新曲“ラジオ”を収録した特典DISCが同梱されるなど、お楽しみは満載。
単なるベストとは一線を画すこだわりっぷりが詰め込まれた究極のベスト・アルバム。
その内容の裏には、CDというパッケージへの熱い思いもあるのだと言う。

 

「今って配信がすごく普通になってきてるでしょ。曲を単体で買って聴くっていう。
それは全然悪いことではないけれど、私はやっぱりCDを作り続けたいんです。
曲間とか曲順とかジャケットとか、そういうところにこだわって、
みんなにもっともっと楽しんでもらいたいんですよね。
今回のベストもそういう気持ちで作りました!」

 

 

  

 

■NEW ALBUM 『まとめⅠ』『まとめⅡ』……2/23 on sale!

SONG LIST
『まとめⅠ』
01.milk
02.花火
03.赤いランプ
04.カブトムシ
05.夢のダンス
06.二時頃
07.シャッター
08.瞳
09.蝶々結び
10.be master of life
11.飛行機
12.気付かれないように
13.横顔
14.れんげ畑
15.桜の時
16.えりあし

 

『まとめⅡ』
01.ボーイフレンド
02.アンドロメダ
03.二人
04.初恋
05.ナキ・ムシ
06.キラキラ
07.歌姫
08.愛の病
09.かばん
10.天の川
11.KissHug
12.帽子と水着と水平線
13.mix juice
14.ジェット
15.シアワセ
16.三国駅

 

■PROFILE…aiko(アイコ)

98年にシングル「あした」でメジャー・デビュー。以来、
“花火”、“カブトムシ”など多数のヒット曲を発表し、
そのソング・ライティングや心に響くメロディーは男女問わず、
幅広い世代に支持されている。
今年は、自身初となる待望のベスト・アルバムを2作同時リリース!

 

   
記事内容:TOWER 2011/2/20号より掲載

カテゴリ : COVER ARTIST

掲載: 2011年02月17日 09:09

更新: 2011年02月18日 18:48

ソース: 2011/2/20

もりひでゆき