インタビュー

coldrain 『The Enemy Inside』

  

 ――際限なく加速し続ける彼らの勢いを見事にパッケージすることに成功した激アツな一枚!

 
ここ1、2年、日本国内のラウドロック・シーンの充実振りは凄まじく、
無数のバンドたちがしのぎを削り合うという群雄割拠の体を成してきている。
そんな状況の中、シーンのブライテスト・ホープであるcoldrainが
6曲入りアルバム『Nothing lasts forever』以来、わずか8ヶ月という短いスパンで
ニュー・アルバム『The Enemy Inside』を完成させてきた。

 

ここ最近リリースされる多くの邦楽ラウドロック作品は
「欧米シーンとは異なる日本固有のサウンド」、「日本人ならではの感性」、などと
評されることが多く、僕自身も気付けば使っていることが多々ある。
しかしこの作品には<日本固有>や<日本人ならでは>という表現はしっくりこない。
日米両国籍を持つMasatoのネイティヴな発音や全編英語詩はもちろんのこと、
メロディや曲のアレンジからも邦楽の匂いがほとんどしないのだ。 

  また、バラードと言えるのは8曲目に収録されている“Confession”の一曲のみ。

一段と気迫を増したMasatoの喉を掻き毟るような迫力あるスクリームに、
絶妙なポイントで挿入される男気溢れるシンガ・ロング、
バキバキなグルーヴを叩き出すR×Y×OとKatsumaのリズム隊、
そしてY.K.CとSugiの殺傷力の高いギター・リフ、と
アルバム全体を通して、アップ・テンポでアグレッシヴなものとなっている。

アグレッションが前面に出ることで持ち前のメロディの扇情力を殺してしまうことなく、
アグレッションとメロディのコントラストを際立たせることに成功している。

<邦楽ロック・シーンに対する挑戦状>というと少し大げさかもしれないが、
彼らは日本というフィールドに囚われない世界を視野に入れた作品を作り上げてきた。

『The Enemy Inside』―際限なく加速し続けるcoldrainの勢いを
見事にパッケージすることに成功した激アツな一枚である。

■NEW Album……『The Enemy Inside』 now on sale!

SONG LIST
01.To Be Alive
02.New Fate
03.Rescue Me
04.Adrenaline
05.You
06.The Maze
07.Rise And Fall
08.Confession
09.A Tragic Instinct
10.Hollow

 

■ PROFILE…coldrain(コールドレイン)

07年名古屋で結成。
彼ら独自のメロディアス・ロックサウンドとライヴ力が話題上昇中。
サマソニやパンクスプリングでも存在感を見せつけた超要注意バンド!

 

   
記事内容:TOWER 2011/2/20号より掲載

カテゴリ : HOT PICKS

掲載: 2011年02月17日 09:12

更新: 2011年02月18日 18:53

ソース: 2011/2/20

村岡俊介