インタビュー

ロック・ファン向けのダンス・サウンド、ダンサブルなロック、その他の踊るあれこれ

 

MIAMI HORROR 『Illumination』 EMI Australia(2010)

名前に反してマイアミ産でもホラーでもなく、DJのベン・プラントを中心としたメルボルンのユニット。これはEP収録曲などを集大成したコンピ的なアルバムで、メランコリックなノリのディスコ~エレポップを聴かせます。狙ってないんだろうけど、ちょいダサな感じが良し。

BAG RAIDERS 『Bag Raiders』 Modular(2010)

アルバムを出す前に旬なムードが薄まってしまったのは皮肉ですが……ダンス・ロック系のリミックス仕事で名を上げたシドニーの2人組がやっと出した初作。ダン・ブラックのナヨ甘いヴォーカルを配した“Sunlight”など、NOと言えないNO系のエレクトロ・ポップが満載された佳作です!

DELPHIC 『Acolyte』 Chimeric(2010)

マンチェスターの3人組……ってことで、NOの血をイヤでも感じさせるわけですが、翳りのあるロマンティシズムまで継承している点は彼らの美点でしょう。先行ヒットとなった“Counterpoint”など性急なダンス・ビートで持っていく曲であろうと、メロの良さを忘れないあたりが頼もしい。

VARIOUS ARTISTS 『Kitsune Maison Compilation 10』 Kitsune(2010)

名物コンピの第10弾。大注目のイズ・トロピカルを筆頭に、ニューウェイヴ系の変化球ポップから直球フレンチ・タッチ、ストイックなテクノまで入居者は相変わらず個性的です。レーベル始動からそろそろ10年、いまでもオシャレクトロ専科と勘違いしてる人は一度聴いてみて。

JAMES YUILL 『Movement In A Storm』 Moshi Moshi(2010)

A・トラックのミックスCDやキツネのコンピでも紹介された“Sweet Love”効果か、ダンサブル度をアップしての4作目。トラディショナルな音使いと左岸ハウス的なビートを上手く両立させたことで、モダンなダンスのノリに往年のテクノ・ポップ感まで加味されています。

EL GUINCHO 『Pop Negro』 Young Turks(2010)

宅録バルセロナ野郎の2作目。天衣無縫にアフロビートやソカを行き交うトロピカルな傑作で、インディー界隈ではディスコとかサイケとか曖昧に形容されてますが、普通にアフロやカリブ音楽好きの人にオススメ。リリースは初期サウス・セントラルの躍進を支えたヤング・タークスから。

YES GIANTESS 『Siren』 Neon Gold(2010)

ネオン・ゴールドに見い出されたボストンの4人組。レトロなシンセを主体にした夢心地な音風景に控えめなメロディーが甘酸っぱく流れ、学生バンドっぽいノリの青春ダンス感が全開です。クリスタル・ファイターズと並んでエリック・ハッスルのリミックスを手掛けていたりもしましたね。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2011年04月15日 15:16

更新: 2011年04月15日 15:16

ソース: bounce 329号 (2011年2月25日発行)

ディスクガイド/轟ひろみ

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