インタビュー

Tetsushi Hiroyama (from RYUKYUDISKO) 『Souvenir from RAKUEN mixed by Tetsushi Hiroyama』

 

〈沖縄産クラブ・ミュージック〉の確立をめざした新レーベルが発足! そのお披露目盤が登場したよ!!

 

RYUKYUDISKOのTetsushi Hiroyamaが新たにレーベル=RAKUENを設立し、キャリア初のミックスCD『Souvenir from RAKUEN mixed by Tetsushi Hiroyama』をリリースした。双子テクノ・ユニットとしてのデビューから7年を経て、ついに個人活動をスタートさせたわけだが、そのきっかけは、地元・沖縄にてレーベルと同名のパーティーを立ち上げたことだった。

「地元でレギュラー・パーティーをやってない期間が3年くらいあって、心にぽっかり穴が空いたような感じで。活動の軸になる場が欲しかったんです。それで去年ようやく新しいパーティー〈RAKUEN〉を立ち上げることができた。アルバムに参加しているアーティストは〈RAKUEN〉を介して集まった仲間ですね。みんなと雑談をしているうちに、今回のイメージが固まっていきました」。

収録されているトラックはTetsushi Hiroyamaのソロ=ORION BEATSのものと、彼が沖縄の新鋭アーティストたちに発注した新曲のみで、すべてが沖縄音楽のカヴァー。ミックスCDにしてレーベル・コンピであり、純沖縄産にこだわったコンセプト・アルバムでもある。

「パッケージングすることで、沖縄でこういう活動をしてる人たちがいることを伝えたかった。それから、綺麗に繋いでいく普通のミックスCDとは違うものにしようと。だからテンポやアレンジのスタイルは一切注文しませんでした。むしろ、思い切ったものをちょうだいってお願いして」。

TROPICAL SOUND CRASHによるレイヴ・チューンから宇宙牛 a.k.a. DJ HIROAKIの美麗ハウス、See Saa Sequencer 303のドラムンベース——たおやかな沖縄民謡が、ここではあらゆるタイプのクラブ・ミュージックへと変換されている。ハードなブレイクビーツが轟いたかと思えばチルなサウンドスケープがフワッと注ぎ込んだりと、緩急を活かした展開も楽しい。

「パーティーでは毎回いろんなジャンルの人を呼んで、混ぜてます。ひとつのことを追求するのも大事ですけど、いまはいろんな人が集まってくる感じがおもしろいと感じていて」。

それにしても、〈沖縄音楽とクラブ・ミュージックの融合〉というRYUKYUDISKOが追求してきたお題目に、ソロでも真摯に向き合い続けているのが興味深い。彼は「まだ広げ切れてない部分がある」と熱を込めて語る。

「RYUKYUDISKOを始めた時は、沖縄音楽をひとつのネタとして扱っていたところがあって。でも活動するなかで、どんどんその魅力にハマっていったんです。アンゴラ発祥のクドゥルっていう音楽は、現地のトライバルな要素とダンス・ミュージックをエディットしたものなんですね。そういうことが沖縄でもできるんじゃないかと。沖縄産のクラブ・ミュージックをいちジャンルとして確立させたいんです」。

 

▼ミックスCDに参加したアーティストの関連作品を紹介。

左から、RYUKYUDISKOの2009年作『pleasure』、lichard.が参加したRYUKYUDISKOの2007年作『INSULARHYTHM』(共にキューン)、宇宙牛 a.k.a. DJ HIROAKIがリミックスを提供したマイケル・ジャクソンのカヴァー・コンピ『SOUL WORKS presents THIS IS MIX MIXED by DJ KOBITO』(SOUL WORKS)、

カテゴリ : .com FLASH!

掲載: 2011年06月22日 18:00

更新: 2011年06月24日 20:29

ソース: bounce 333号 (2011年6月25日発行)

インタヴュー・文/澤田大輔

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