インタヴュー①「あまり故意的に、<悪い人>のキャラクターみたいに作りたくなかった。」
「あまり故意的に、<悪い人>のキャラクターみたいに作りたくなかった。」
―高校生の時に『白夜行』を読まれたそうですが、どんな印象を受けた?
「その時は、雪穂に対して『こんな女の人いるのかなぁ』と思いました。
どこまでも自分の考えや、道を貫いている姿を怖いと感じて読んでいました。
どちらかというと、亮司の方が感情移入しやすかった気がします。」
―自分なりの雪穂を演じる際、雪穂になるために気をつけたことは?
「映画を撮る前に原作を読み直した時、
自分が雪穂を演じるという意識もありましたので雪穂目線で読んでみたんです。
最初は、やはりこんな人いない、雪穂だけ架空人物という感じがしました。
でも改めて読んでみると、もしかすると普通の人でも考え得る心の闇の部分かな?って。
そこから理解出来るかもしれないと少し思いました。
ただ、私が理解した上で演じてしまうと雪穂ではなくなってしまう気がしたので、
あまり彼女を理解しようとは思わなかったですね。
あまり故意的に、<悪い人>のキャラクターみたいに作りたくなかったんです。
より人間らしく、リアルに彼女の表情や仕草など一つ一つ作っていきたいと思いました。」
―より人間らしい部分?
「例えば、悪いことを考えている時に悪い顔をすると、悪い人のキャラクターになってしまうじゃないですか。
そうではなく、自分の中から込みあがってくる怒りや憎しみみたいなものが、私が感じることで顔に出ていれば
良いのかなと・・・。」
―演じる上で苦労した点は?
「台詞があまりなかったのでそれが難しかったですね。
台詞が多い方が、意思を表現出来るし分かりやすいと思うんです。
何を思っているのか、詳しいことや心の声が台本に書いてあるわけではないので、私の中の感覚でやるしかないと。」
―作品を見ていると、雪穂の表情がとても気になりました。
「それを無表情と感じる人もいれば、何か感情を当てはめて考える人もいると思うんですよ。
それは、観ている人それぞれが違うと思う。
原作を読んだ時に、読む人によって感じるものが違うのと同じだと思うんです。
私は、こういう感情でこういうシーンだとハッキリ分かるようなお芝居はしないようにしました。」