インタビュー

INTERVIEW(3)――どっちの響きが可愛いか?



どっちの響きが可愛いか?







――“Fire Ball”“walkin'”はCharaさんといっしょにやってて。Charaさんも好きだったんですか?


「だって、女の子はみんな好きですから! 例えば好きな人ができたりとか、女の子の気持ちになったときって、Charaさんの音楽がすごく味方になってくれるので。ただ、〈高橋瞳って、普段はCharaとか聴かないんじゃないの?〉って思われてるだろうなっていうのもあって(笑)。実際はMean MachineもYEN TOWN BANDもCHARA+YUKIも、全部大好きなんですけどね。Charaさんも参加してたATAMI(渡辺善太郎によるソロ・プロジェクト)も聴いてたし。あとね、私が次に進むためには、Charaさんといっしょにやることが絶対、勉強になると思ったんです。ガーリーな要素が全然ないんですよね、高橋瞳には。でも、女として歌ってる以上、そういう要素も必要になってくると思って」


――女の子っぽい部分がまったくない、ってこともないでしょ?


「そうなんですけどね。でも、10代のときは、女の自分がすごくイヤだったときもあって。女って、感情に左右されるじゃないですか。それが鬱陶しくなっちゃうんですよね。〈なんで頭で考えて動かない!?〉って。感情で動いてるところを人に見られるのもイヤだったし」


――女性的なところを受け入れられなかった、と。


「だからって男の人になりたいわけでもないんですけどね。でも、好きな人ができたりしたら、ヒドイじゃないですか。例えばこっちからメールして、返事が返ってこないだけでイラッとしたり。そういう自分がムカつくし、〈何で?〉ってメールを待ってる時間ももったいないし。でも、最近は少しずつ、そういう自分も受け入れるなくちゃって……やっと女になりました!」


――(笑)Charaさんとのやり取りも、役に立ちました?


「もうね、ナチュラルに〈女性〉なんですよ。差し入れとかも全部可愛いし。歌入れしてるとどんどん疲れて老けていっちゃうんですけど(笑)、〈瞳、眉毛がない。メイク・タイムにしよう〉とかって言ってくれて。〈え? レコーディング中にメイク直ししていいんですか?〉っていう。そういうことがモチベーションに繋がるんだってこともわかりましたね」


――ステキです。歌詞についてはどうですか?


「すごく刺激になりましたね! 最初はホニャララ語みたいな感じで適当に歌うんですけど、〈ここ、2倍って聴こえない?〉〈聴こえますね〉みたいな話から、〈風にバーイ〉っていうフレーズが出てきたり。もちろん〈ここはきちんと伝えたいので、この歌詞でいきます〉ってこともあるんだけど、例えば〈どっちの響きが可愛いか?〉で判断したりするんですよ、Charaさん。それはね、今後の歌詞の書き方にも活かしていきたいです。音楽的なところと文学的なところがどっちもある、というか」


――しかも、すごく女の子的だし。“Fire Ball”は、編曲に田渕ひさ子さんが参加してますね。


「はい! 全部生音でやりたい、ということだけオーダーさせてもらったんですけど、いろいろ話していくなかで、田渕ひさ子さんが関わってくれることになって。私、(椎名)林檎さんフリークですからね。ひさ子さんと言えば、発育(ステータス)じゃん!って。しかもこの曲、ドラムがブッチャーズ(bloodthirsty butchers)の小松(正宏)さんで、ベースが中尾憲太郎さんなんですよ。ブッチャーズとナンバガって、何て贅沢なバンドだよ!っていう」


――向井(秀徳)さんにも来てもらえばよかったのに。


「いやいやいや。そんな、滅相もない……」



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掲載: 2011年09月21日 18:01

インタヴュー・文/森 朋之