インタビュー

★第3弾★藤本幸世が企画した「モテキ」な異色カヴァー集



映画版「モテキ」において主人公の藤本幸世は、ポップ・カルチャーを対象とする実在のニュース・サイト〈ナタリー〉でライター業を営んでいるという設定。そんな彼が企画・選曲を手掛けたら——というコンセプトで編まれた「モテキ」楽曲のカヴァー集。藤原ヒロシ&川辺ヒロシによる穏やかなトラック上で小泉今日子が歌うゆらゆら帝国“空洞です”、カジヒデキがシンセ・ディスコに変換した大江千里“格好悪いふられ方”、後藤まりこが原曲のキュート成分をディフォルメしつつ中盤からジャンク化する広末涼子“大スキ”……など、無茶が過ぎる組み合わせのカヴァーが揃っているのだが、いずれも原曲の旨味と演者の個性が引き立て合うバランスに着地できちゃっているのが素晴らしい。フジファブリックがキラキラした4つ打ちに仕立てた小沢健二“ぼくらが旅に出る理由”は、抗いようのない昂揚感を湛えているし、フラワーカンパニーズが自作曲のように血肉化している橘いずみ“失格”の正攻法な解釈もまた良いんですよ。藤本くんやるなー。

▼参加したアーティストの作品を一部紹介。


左から、小泉今日子のコラボ集『COLLABORAKYON』(ビクター)、カジヒデキの2009年作『ストロベリーズ・アンド・クリーム』(felicity)、フラワーカンパニーズの2010年作『チェスト! チェスト! チェスト!』(ソニー)

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掲載: 2011年09月14日 18:02

更新: 2011年09月14日 18:02

ソース: bounce336号(2011年9月25日発行)

文、ディスクガイド/澤田大輔