インタビュー

フローレンスの深い森に潜む、多種多様なセレモニアル・ミュージック



ADELE 『21』 XL(2011)

アデルが何部門奪うか話題のグラミーですが、“Rolling In The Deep”などを制作したポール・エプワースも〈最優秀プロデューサー〉など4部門にノミネート中。同様に彼が全編を手掛けた『Ceremonials』の手捌きもソウルフルな感触は通底しているはず。

 

KANYE WEST 『My Beautiful Dark Twisted Fantasy』 Roc-A-Fella/Def Jam(2010)

フローレンスの備えた壮麗な奥深さは、ドレイクら近年の内省ヒップホップ群に共振するもの。特にプログレ的な重みと緻密さのある本作を聴きながら本文の発言を読んでみれば……。

 

BEYONCE 『I Am...Sasha Fierce』 Columbia(2008)

オーガニックで崇高な曲の並ぶこちらの〈I Am...〉盤からフローレンスが取り上げたのは、聖なるエナジーに溢れた“Halo”。そんな彼女に触発されてビヨンセが『4』を作り上げたという話には、まさに光の輪の連鎖を見る思いです。

 

ANNIE LENNOX 『Diva』 RCA(1992)

スタイリッシュな麗人の系譜という意味からもルーツに挙げられそうですが、ゴスペル的なダイナミズムに溢れた“Shake It Out”を聴いてまず思い出したのは空間を支配するアニーの歌唱でした。とりあえず“Why”や“Precious”を聴いてみて!

 

VARIOUS ARTISTS 『Rave On Buddy Holly』 Hear Music/Fantasy(2011)

エビチャーハンを炒める元祖ロックンローラーのトリビュート企画で、初期ストーンズでも知られる“Not Fade Away”を披露したフローレンス。ホリーというよりホーリーかつ呪術的なアレンジが最高!

 

FLEETWOOD MAC 『Rumours』 Warner Bros.(1977)

昨年は「glee/グリー」のエピソードにもなった史上指折りのヒット作。〈グラストンベリー〉出演時のフローレンスはここから“The Chain”をカヴァーした。英国産らしい田園マナーとブルースの配合具合は確かに似ている。

 

CANDI STATON 『Evidence: Complete Fame Records Masters』 Fame

ここには入ってないですが……“You Got The Love”を『Lungs』で取り上げたフローレンス。カントリーやフォークも内包したオーガニックな熱情は、アレサよりもキャンディに近い気がします。

 

DIA FRAMPTON 『Red』 Universal Republic(2011)

メグ&ディアで知られた妹のソロ・デビュー作。グレッグ・ウェルズらのポップ名匠が関与した良品ですが、注目はイザベラ“マシーン”サマーズによる不機嫌ロックの“Bullseye”。マシーン軍団はフローレンスだけじゃないよ!

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2012年01月18日 18:00

更新: 2012年01月18日 18:00

ソース: bounce 340号(2012年1月25日発行)

ディスクガイド/出嶌孝次

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