インタビュー

東京事変『Color bars』

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2012年1月11日、東京事変は解散声明を発表。
最後のオリジナル音源集となったアルバム『color bars』を経て、
ライヴ・セレクション・アルバム『東京コレクション』と最新ライヴDVD&Blu-ray「Discovery」を同時リリースする。
そう、彼らがこの2枚のラスト・アイテムでスポットを当てるのは<実演>だ。

「東京事変はこの5人で、最後のその瞬間までを、全力で駆け抜けたいと思います」(椎名林檎)

2012年1月11日。東京事変は解散声明を発表。
2月14日から29日まで横浜、大阪、東京で行われる全6本のラスト・ツアー
<東京事変live tour 2012 Domestique Bon Voyage>をもって、
結成から7年9ヶ月に及ぶ活動に終止符を打つことが明らかになった。


その報は、無論とても衝撃的だったけれど、オフィシャルHP上に公開された各メンバーの
コメントは、やはりどこまでも彼ららしく瀟酒なもので、徹頭徹尾、気高く美しいバンドで
あり続けようとする彼らの矜持を感じさせた。
既にリリースされている、メンバー全員が1曲ずつ作詞作曲を手がけた5曲入りの
ミニ・アルバム『color bars』が最後のオリジナル音源集になった。


本作はタイトルこそ<チャンネル縛り>を設けてきたバンドの終幕を示唆するものに
なっているが、内容は5人それぞれのフレッシュなクリエイティヴィティを析出し、
それを全員で共有しながら<ここから開かれていく未来>を射止めるような、新たな幕開けさえ予感させるものだった。
そういった作品を最後のオリジナル音源集として据えるのも実に東京事変らしいなと、あらためて思う。

 ちなみにメンバーは『color bars』リリース時のインタビューで、こんなに軽妙な会話を残している。


 椎名林檎(vo.)「みんながみんな炸裂していて、<本性見たり!>って感じじゃないですか?」

亀田誠治(Ba.)「すごくそんな感じがする」

椎名「これで<J-POPです>だなんて、よくまあぬけぬけと、みたいな。
私の曲はそうでもないけど、この4人が<同じグループです>って、もうそれが<ぬけぬけ>とって(笑)」

浮雲(Gt.)「これでお客さんは、だから解散したのかと」

刄田綴色(Dr.)「よく言う音楽性の不一致ってやつだったのかと」

伊澤一葉(Key.)「みんな笑顔でめちゃくちゃ不謹慎な会話だな(笑)。
プリプロの段階で<最後だからって最後っぽい曲を持ち寄る感じは避けようね>とも話していたしね」

椎名「そう。だからこの仕上がり、私は満足しています」

そして、『color bars』を経て、東京事変はライヴ・セレクション・アルバム『東京コレクション』と
最新ライヴDVD&Blu-ray「Discovery」を2月15日に同時リリースする。
そう、彼らがこの2枚のラスト・アイテムでスポットを当てるのは<実演>だ。


『東京コレクション』は、いわゆるライヴ・ベストとしての性格を持つ作品で、
古くは05年の<Dynamite>から2011年の<Discovery>まで、これまで行なってきたツアーのライヴ音源から
選りすぐりの全14曲を収録。彼らが全国各地のステージとオーディエンスの記憶に刻みつけてきた鮮烈な名演の
軌跡を、贅沢に辿ることができる。さらに、1曲目を飾っているのは、新曲“三十二歳の別れ”(作詞作曲:椎名林檎)。
静かな熱情をたたえた椎名の歌を、繊細かつ迫真的なバンド・アンサンブルで掬い上げるロック・バラードである。
こんな名曲がまだ残されていたとは……と驚く人も多いはずだ。





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「Discovery」は、5thアルバム『大発見』を携えて開催された<東京事変live tour 2011 Discovery>から、
2011年12月7日に行われた東京国際フォーラムのライヴを完全収録。
『大発見』は、05年に現在の布陣がそろった東京事変の音楽的核心が、ひとつの到達点を見た最高傑作だ。

そのツアー<Discovery>は―音楽の普遍的な感動を生新にして深い喜びと驚きをもって味わえる楽曲、
その真髄を過不足なく体現するメンバーのプレイヤビリティとパフォーマンス力、高次のサービス精神に裏打ちされた演出―すべてが至福のエンターテイメントを創り上げるために融和したすばらしいものだった。
オーディエンスの文化的欲求を満たす総合芸術としてのライヴが、甘美なままここに記録されている。


椎名林檎は言う。「東京事変はこの5人で、最後のその瞬間までを、全力で駆け抜けたいと思います」と。


 

徹頭徹尾、気高く美しいバンドであり続けようとする東京事変が残した作品群は、
これからもずっと豊潤な響きをまとったままそこにある。そして、私たちが再生ボタンを押すそのときを待っている。





 

■New Album……『color bars』 Now on sale!

■SONG LIST……

01.今夜はから騒ぎ

02.怪ホラーダスト

03.タイムカプセル

04.sa_i_ta

05.ほんとのところ


 

■New Album……『東京コレクション』 2/15 on sale!


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■SONG LIST

01.三十二歳の別れ<新曲>

02.禁じられた遊び

03.かつては男と女

04.キラーチューン

05.OSCA

06.ミラーボール

07.復讐

08.ピノキオ

09.閃光少女

10.透明人間

11.丸の内サディスティック

12.スーパースター

13.群青日和

14.夢のあと

■ New DVD&Blu-ray……『Discovery』  2/15 on sale!

Discovery
■SONG LIST
01.天国へようこそ
02.空が鳴っている
03.風に肖って行け
04.カーネーション
05.海底に巣くう男
06.カリソメ乙女
07.禁じられた遊び
08.恐るべき大人達
09.かつては男と女
10.ハンサム過ぎて
11.秘密
12.某都民
13.ドーパミント! 
14.女の子は誰でも
15.歌舞伎
16.ミラーボール
17.能動的三分間
18.OSCA
19.絶対値対相対値
20.電波通信
21.電気のない都市
22.21世紀宇宙の子
23.閃光少女
24.今夜はから騒ぎ
25.群青日和
26.新しい文明開化


■LIVE……

「東京事変live tour 2012 Domestique Bon Voyage」

2/14(火)、15(水)横浜アリーナ

2/21(火)、22(水)大阪城ホール

2/28(火)、29(水)日本武道館

※詳しくはHPにて。

■EVENT……「EMI ROCKS2012」

2/19(日)さいたまスーパーアリーナ

※詳しくはHPにて。


■ PROFILE…東京事変(トウキョウジヘン)

04年東京事変の活動を宣言。

『教育』、『大人』、『娯楽』、『スポーツ』、『大発見』、『color bars』と

テレビのチャンネル名を冠したオリジナル・アルバムをリリース。

先頃2月開催のアリーナツアーをもって解散することを発表。

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記事内容:TOWER 2012/2/5号より掲載

カテゴリ : COVER ARTIST

掲載: 2012年02月05日 12:00

ソース: 2012/2/5

TEXT:三宅正一(ONBU)