オーブ&リーに連なるいろんなダブとアンビエント
SCREEN 『We Are Screen』 Malicious Damage(2012)
アレックス・パターソンが、『C Batter C』でも絡んだガウディ、チェスターと組んだヴェテラン・トリオの初作。80年代UKダブがトリップ・ホップも纏った電化形態という感じで、当然ながらリー宇宙の影響下にもあるもの。この手の企画には欠かせないユースも参加。
LEE 'SCRATCH' PERRY 『Nu Sound & Version』 On-U(2011)
エイドリアン・シャーウッドの仕切りと多彩なリミキサー陣によって実現した、リー・ペリー曲のモダンなヴァージョン集。ジャングルからダブステップまで年季の入った残響が英国サウンド史を行ったり来たりするなか、コード9やブリオンがいい仕事をしている。
MARTYN 『Ghost People』 Brainfeeder(2011)
こちらが勝手にイメージしていた以上に英国テクノの伝統性を血肉化しているようだったマーティン。ブレインフィーダー入りしても引きずられることのない独立独歩な毒々しさが、テック・ダブというかダブステッピンなテクノのソリッドなビートに宿っている。
FLUXION 『Traces』 Echocord(2012)
別掲のレヴュー(→P56)で紹介されているサイレント・ハーバーもそうだが、デンマークはコペンハーゲンを拠点にベーシック・チャンネルの志を継ぐエコーコードも挙げられるべき一群。ハウシーなディープさも併せ持ちながら、的確にオーガナイズされた心地良いダブ感覚が染み渡るるる!
THE ANALOG ROLAND ORCHESTRA 『Home』 Ornaments(2012)
パスタミュージックからのシングルやオーランド・ヴルンのリミックスで知られるミュンヘンの新進クリエイター。こちらのファースト・アルバムではハウシーな洗練も帯びたディープなダブ・ミニマルをどっぷり楽しめるはず。マスタリングはポールが担当。
MORITZ VON OSWALD TRIO 『Fetch』 Honest Jon's(2012)
ダブ・テクノという言葉を几帳面に捉えるならベーシック・チャンネルの正統進化を披露するこのトリオも忘れてはいけない。緻密なビート感を引き立てる繊細な空間処理能力のヤバさは相変わらず。過去2作と同じくトビアスがミキシングを手掛けている。
カテゴリ : インタビューファイル
掲載: 2012年09月25日 15:30
更新: 2012年09月25日 15:30
ソース: bounce 347号(2012年8月25日発行)
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